【スコッチ】アイラ・ウイスキー前編~産地探訪:ボウモア蒸留所

イギリス
スポンサーリンク
世界5大ウイスキーの筆頭格に位置づけられるスコットランド産スイスキー(スコッチ)。その中でもアイラ島で製造されるアイラ・ウイスキーは、ピート(泥炭)を用いて原料の麦芽を乾燥させることで、他に類を見ないスモーキーな香り・味わいを持つと言われます。その秘密の一端に触れるべく、実際にアイラ島の蒸留所を訪れてみました(前編)。

アイラ島とは

アイラ島(Isle of Islay)はスコットランド西部にある島で、広さは南北約40キロ、東西約24キロ(淡路島より少し大きい)、人口は3千人強です。気候は比較的温暖で、夏の平均最高気温は約16℃、冬の平均最低気温は約3℃。主な産業は、今回の目的であるウイスキー蒸留のほか、観光業、農業など。

この島の特徴は、ピート原野が島の多くの面積を占めていることです。ピートとはヘザー(ヒース)をはじめとした植物の腐植土(炭化した泥炭)のことで、100年で数センチしか堆積しません。アイラ島にはこのピートが豊富にあり、固形燃料としてふんだんに使えます。

アイラ島への行き方は飛行機または船となります。今回は車移動でしたので、グラスゴーから地続きのケナクレイグ港(Kennacraig)まで移動、そこから定期船フェリーに乗船してアイラ島南部ポート・エレン港(Port Ellen)に向かいました。

蒸留所見学:ボウモア蒸留所(Bowmore)

それでは実際に蒸留所を見学したいと思います。まずはボウモア蒸留所へ向かいます。

ボウモア蒸留所の概要

1779年創業のアイラ島最古の蒸留所で、1994年以降サントリーがオーナーです。

「スモーキーで潮の香り」と表現されるアイラ・ウイスキーの中でも、ボウモアのウイスキーは「海のシングルモルト」として知られています。これは主に、

  1. ピート層をくぐり抜けて湧く良質の軟水を仕込水として使用
  2. 海藻類や貝類等の海産物を多く含むピート(自社採掘場から得る)を用いた麦芽乾燥
  3. 波打ち際の岩盤を整地した上に建造された海抜0メートルの第一貯蔵庫での熟成

に起因するようです(同社HP)。それではこれらの点に留意しつつ、実際に訪れてみたいと思います。まず、入口ですぐ目に付く点として、この蒸留所は海に直接面しているのが分かります。

製麦工程~1)フロアモルティング

見学時は時期的に製麦作業を行っていませんでしたが、実際に使用される場所を見学出来ました。

まず上述の仕込水に浸した大麦を発芽室の床に広げて発芽を促します(フロアモルティング)。ここで登場するのがモルトマン。木製スコップを使って時折大麦をひっくり返すことで、空気に触れさせます。手間の掛かる作業のため、現在でも人手でこれを行っている蒸留所はごく僅かなようです。これを繰り返してボウモア独自の麦芽を作ります。

製麦工程~2)乾燥

フロアモルティングにより発芽した大麦は乾燥室に運ばれ、下の窯から熱煙を送り麦芽の成長を止めます。

この時焚かれるのが上述のピート。海産物を多く含んだこの黒い塊のピートを燃やすことで、アイラ・ウイスキーの特徴であるスモーキーな香り(ピート香)が麦芽に浸み込みます。またこの作業でピート香の強さ(スモーキー度合)も決まります。ボウモアのウイスキーは、ほどよいピート香が特徴です。

発酵・蒸留工程

ピート香のついた麦芽は破砕され、その麦汁を採取します。この麦汁を木樽で発酵させ、ウォッシュと呼ばれる発酵液(もろみ)を採取します(アルコール分7~8%程度)。これをポットスチルと呼ばれる蒸留器で蒸留、アルコール純度の高い液体が出来上がります。

貯蔵・熟成

こうして出来上がった原酒はオーク樽に詰められ、長期熟成に入ります。ここで主に使用される樽は、ホワイトオークのバーボン樽とスパニッシュオークのシェリー樽の2種類(バーボン樽70%、シェリー樽30%の比率)。

そしてこの貯蔵庫のすぐ前には海が拡がっていますので、潮の香りに抱かれながら熟成されます。「夢大きく」ですね!

まとめ

見学の最後には、ボウモア・ウイスキーのテイスティングを行いました。一連の製造工程を見て知識を得た直後だけに、アイラ・ウイスキーの特徴である「スモーキーで潮の香り」を存分に堪能しました!後編はラフロイグ見学です。

(番外編)蒸留所訪問

時間の関係で製造工程は見学出来ませんでしたが、上記以外にも蒸留所を訪問しました。

アードベッグ蒸留所(Ardbeg)

1815年創業、1980年代には一時期閉鎖していましたが、97年から再開、現在はLVMHがオーナーです。アイラ・ウイスキーの中でも、ピート香が特に強いことで有名。この蒸留所も海に面しています。

こちらは敷地内にあるお店に立ち寄りました(カフェも併設)。お土産購入後、トラックが貯蔵用の樽を運搬していました。樽はこうして運ばれるのですね。蒸留所の雰囲気だけ味わいました。

ラガヴーリン蒸留所(Lagavulin)

1816年創業、過去数度閉鎖されたこともあるが、現在のオーナーはディアジオ。

残念ながら、ここは時間の都合で施設前からの撮影のみ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました