【スコッチ】アイラ・ウイスキー後編~産地探訪:ラフロイグ蒸留所

イギリス

世界5大ウイスキーの筆頭格に位置づけられるスコットランド産スイスキー(スコッチ)。その中でもアイラ島で製造されるアイラ・ウイスキーは、ピート(泥炭)を用いて原料の麦芽を乾燥させることで、他に類を見ないスモーキーな香り・味わいを持つと言われます。その秘密の一端に触れるべく、実際にアイラ島の蒸留所を訪れてみました(後編)。

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蒸留所見学:ラフロイグ蒸留所(Laphroaig)

後編ではラフロイグ蒸留所を見学しています。

ラフロイグ蒸留所の概要

1815年創業でチャールズ皇太子(英王室)御用達としても知られる蒸留所。現在のオーナーはこちらもサントリー。

ラフロイグは、過去に薬用酒として取り扱われていたことがあるほど、正露丸のような強烈なヨード香が有名。オイリーで濃厚な味わいとやや潮っぽくてドライな後味が相俟って、スモーキーなアイラ・ウイスキーの中でも王様と呼ばれています(対して、香りが抑えられ繊細な甘さのあるボウモアはアイラの女王)。

今回はラフロイグを特徴づける以下ポイントを中心に見学したいと思います(同社HPより)。

  1. ピート層を浸透してきた仕込水、海藻類を多く含むピートを用いた麦芽乾燥
  2. スモーキーな香味特性に影響を与えるランタン型の再溜器(アイラ島で最小型の蒸留器)
  3. バニラの甘さ、クリームの滑らかさを与えるバーボン樽による熟成

製麦行程~1)フロアモルティング

ラフロイグでも、時期的に製麦作業を行っていませんでしたが、実際に大麦が敷き詰められるフロアを見学出来ました。

上述の仕込水に浸した大麦がこちらの発芽室に敷き詰められます。そしてボウモア同様、モルトマンが8時間おきにすき返して発芽を促します。部屋のあちこちからウイスキー製造の長い歴史を感じます。

製麦工程~2)乾燥

次は発芽した大麦を乾燥させ、麦芽の成長を止めます。

乾燥室に運ばれた大麦は、自社の採掘場から得た海産物を多く含んだピートを焚いて、ピート香をしっかりと付着させます(約12時間)。次にピートの熱と一緒に潮風も取り込み、甘みを含んだ燻煙で独自の麦芽を作ります(約18時間)。

ボウモア蒸留所で使われていたピートはもっと黒く固いものでしたが、ここでは比較的柔らかく水分量を多く含んだピートを使用。同じアイラ・ウイスキーでも、使用されるピートが微妙に違うようです。

発酵・蒸留工程

ピート香のついた麦芽は粉砕され、仕込水と一緒にかき混ぜたものを濾過して麦汁を採取します。その後、発酵過程を経てウォッシュ(発酵液、もろみ)を採取(アルコール分約8.5%)。

次に登場するのがポットスチルと呼ばれる上述の蒸留器。写真の奥から3基が初溜器、手前4基がランタン型の再溜器。説明によれば、アルコール分は初溜で約22%、再溜で約67%に上昇。

再溜工程の重要な点が、再溜器の形状(ランタン型)とニューメイクと呼ばれる原酒を採取(カット)するタイミング。長年の経験則から、この形状の再溜器を使用した場合、最後の方に採取する液体のスモーキー度合(フェノール値)が高まるようです。これがラフロイグ特有の香りに繋がります。

貯蔵・熟成

こうして得られた原酒はオーク樽に詰められて貯蔵・熟成されます。

ここで使用されるのが写真のバーボン樽。ホワイトオーク材で、一度バーボンの熟成に使用された樽です。この樽を使うことで、原酒にバニラの甘さ、クリームの滑らかさ、が与えられるようです。

まとめ

見学ツアーの最後には、テイスティングが用意されていました。ラフロイグ特有のピート香は強烈でしたが、それは単にピート香を焚き付けたものでなく、長年に渡り各工程で培われてきた丁寧な仕事の結晶と理解すると、その香りは味わい深いものとなりました。

なお、折角の機会でしたので、ラフロイグのピート採掘場も見てきました。辺り一面がピート原野で、升目のような箇所が掘られた場所です。アイラ島訪問前にはピートの枯渇リスクを懸念していましたが、数百年は問題なさそうです。

(番外編)蒸留所訪問

時間の都合で見学はできませんでしたが、以下の蒸留所にも訪問しました。

キルホーマン蒸留所(Kilchoman)

2005年設立された家族経営の蒸留所。アイラ島での新規設立は124年ぶり。使用する原材料は全てアイラ島産で、自社でも大麦生産を行う。蒸留、貯蔵、販売も自前で手掛ける。テイスティングを実施。

ブルックラディ蒸留所(Bruichladdich)

1881年創業、1994年閉鎖となるが2001年より再開。閉店間際に到着、テイスティングのみ実施。

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