【ワイン】ボルドー後編~産地探訪:メドック、サンテミリオン他

フランス
サン・テミリオン

赤ワインの世界的な生産地として知られるボルドー。前編では5大シャトーの一角、シャトー・オー・ブリオン見学を取り上げましたが、後編では5大地区のうち、メドック地区(マルゴー、ポーイヤック)と右岸地区(サン・テミリオン)の有名産地を中心にご紹介します。

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メドック地区

前編でご紹介したシャトー・オー・ブリオンをはじめとした5大シャトーが集結するのがここメドック地区。ジロンド川左岸に位置し、土壌は小石まじりの砂利質が主体で水はけが良く、気候は河口に近いことから大西洋からの海風の影響を受けて温暖・湿潤です。

栽培されているブドウ品種はこの土壌・気候に適したカベルネ・ソーヴィニヨンが中心。このブドウ品種は長期熟成することで真価を発揮するため、メドック地区で作られる優れた赤ワインの多くが長期熟成型となります。

今回はメドック地区の中でも特に優れたワインが造られる地域として有名なマルゴー(Margaux)とポーイヤック(Pauillac)地域を訪れてみました。

マルゴー地域

マルゴー地域を代表するシャトー(ワイナリー)といえば、5大シャトーの一角、シャトー・マルゴー(Chateau Margaux)です。エチケット(ワインラベル)の絵柄になっており、メドックのベルサイユ宮殿とも称される建物(1815年建立のネオ・パラディアン様式<古代ギリシャ風神殿がルーツ>)は調和のとれた美しい建物で、マルゴーの女性的で優雅なイメージが感じられます。

ポーイヤック地域

続いてポーイヤック地域、ここには5大シャトーのうち3つが集結。今回は2つのロートシルト、シャトー・ムートン・ロートシルト(Chateau Mouton Rothschild)、シャトー・ラフィット・ロートシルト(Chateau Lafite Rothschild)を訪れてみました。

ブドウ畑の土壌は小石が多く入り混じる礫層で、これが太陽熱を吸収します。この礫層は数メートル以上も積もっており、他の作物栽培には全く適さない土壌ですが、ブドウ畑としては最高品質のワインを生み出します。

またこの辺りの土地にはなだらかな傾斜があるため、ブドウ畑は自然と水はけが良く、長い日照時間も享受出来ます(斜面最上部ほど条件の良い畑)。ムートンとは小高い土地を意味する「Motte(またはMothon)」、ラフィットは頂きを意味する「Faite」に由来するようです。どちらも抜群の立地条件ですね。

またこの地域では特に立派な建物が数多く立ち並んでいますので、建物見学も楽しめます。メドック格付で第二級ワイナリーのシャトー・ピション・バロン、現在のオーナーは保険会社のAXAグループです。

右岸地区

右岸地区の代表格サン・テミリオンはドルドーニュ川の右岸にある産地です。ワイン生産の歴史は古く、この地が古代ローマ帝国下に入った頃(紀元前56年)の陶器製ワイン容器が出土しており、ワイン生産はその頃から始まったようです。この地のブドウ畑は現在世界遺産に登録されています。

土壌は主に粘土質(一部では石灰質も混じる)で、保水力に優れます。サン・テミリオンでは、この土壌特性に適したボルドー原産種メルローの栽培が盛んで、世界に名だたる最高品質のワインが生産されています。

歴史市街地

サン・テミリオンの市街地は小高い山の上にあり、麓にかけて一面のブドウ畑が拡がっています。市街地にはこの町の起源となった8世紀の修行僧聖エミリオン由来の教会等が残る他、かつてワイン造りに使用していた施設等も保存されています。歴史的な建物が多く、石畳の細い路地や可愛らしいお店を散策・観光するのも楽しいですね。

ワイナリー

市街地には多くのワイナリーやワイン販売店が軒を連ねています。ワイナリーの中には貯蔵室を自由に見学出来るところもあるので、看板を見て気軽に入っていきます。中に入って貯蔵室を探索、ワイン造りの長い歴史が感じられます。ここではその場でワインを購入することも出来ました。

まとめ

ワインの原料はブドウのみであるため、素晴らしいワインを作るためには高品質のブドウが欠かせません。ボルドー地域では、ローマ時代から続く長いワイン造りの歴史の中で、高品質のブドウを生み出すために必要な最良のテロワール(ブドウ畑を取り巻く自然環境要因、「土地」を意味する仏語「terre」から派生した言葉とされる)が追及され続けてきました。

ボルドー・ワインの頂点に格付けされる5大シャトーでは、その中でも特に優れたテロワールのブドウ畑を保有、最高品質のブドウを原料としています。また時代と共にシャトーのオーナーは変遷しつつも、素晴らしいワインを作るというシャトーのDNAは脈々と受け継がれ、ステンレス・タンクの逸早い導入や新樽による貯蔵・熟成への切替など製造工程の改善が継続的に行われてきました。こうした弛まぬ品質改善努力に加えて、王侯貴族や有力政治家に愛されてきたという歴史的事実がブランド価値を一層高め、最高級ワインとしての地位を不動のものにしています。

ボルドー・ワインの魅力は、もちろんこれら一部の最高級ワインだけに止まりません。ボルドーで生産されるワインの9割強がAOPワイン(特定の産地で生産される上級ワイン)ですが、現地スーパーでは比較的安価な銘柄も多数取り揃えています。滞在したホテルのレストランでは、自社製ワイン(複数銘柄)をグラス売り(1杯数€程度)で提供していました(ボトル購入も可)。実際訪れてみるとボルドーワインを気軽に楽しめる機会が豊富にあり、高級ワインでなくてもその豊かな味わいを存分に堪能出来ます。今回購入したワインが飲み頃を迎える日を楽しみにしつつ、ボルドー編を終えたいと思います。

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