【Moselsteig概要】モーゼル川沿いトレッキング(モーゼルシュタイク)概要編

モーゼルシュタイク

モーゼルシュタイクは、ドイツ西部を流れるモーゼル川沿いのロングトレイルです。ワインと歴史、そして優美な景観で地元でも大人気。ローマ帝国時代から続くワイン造りで栄えた町や、水運で発展し中世の町並みが色濃く残る河畔の町などは、鉄道が通っていない箇所もあり歩いて訪ねるのに最適な場所です。ハイキング専門誌で幾度となく「最も美しいロングトレイル」の年間ランキング上位に入るなど、楽しみ満載の充実コースです。

全体像

「父なる川ライン、母なる川モーゼル」と呼ばれるモーゼル川の源流はフランス。ワインの名産地アルザスを通り、ルクセンブルグとドイツの国境を流れてドイツに入り、最後はコブレンツでライン川に合流します。

モーゼルシュタイクはドイツのモーゼル川始点から終点までを歩くルートで、 スタートはドイツ・フランス・ルクセンブルク国境の町ペルル、ゴールはライン川との合流点コブレンツ。全長365km、24のステージから成ります。交通の要衝として発展した大きな町から、電車がなくアクセスは不便ながらも近隣諸国から驚くほど大勢の人が訪れる隠れた観光名所の町まで、様々な町がぶどう畑で繋がっているような素敵なルートです。

地図とトレイルサイン

ドイツのロングトレイルは管理が行き届いており、ウェブサイトも充実。モーゼルシュタイクも例外ではなく、トレイルにはMOSELSTEIGのサインがポイント毎に設置され、次の目的地までの距離を示す標識も頻繁に登場します。公式サイト;https://www.visitmosel.de/wandern

ドイツではハイカー用の地図サイトも充実。モーゼルシュタイクとの提携もあるので、自分が使い易いサイトでコースの確認やGPX・KMLのダウンロード、トレイル概要情報をチェック出来ます。もちろん、日々のトレイル状況や工事、迂回情報なども即時で掲載されます。また、紙地図は全体像の把握やトレイルの計画立案に便利なので、使用しています。

モーゼルシュタイクのガイドブック GPSデータ付き

ガイドブック。24のステージ毎に分けられ、細かいコースの内容や、経由地、標高差、コースタイムなど分かり易く纏められている。ドイツ語。なお、GPSのデータは公式ホームページでも無料配布されています。

景観

様々な地層が折り重なった地域を流れるモーゼル川は、高低差が僅かなために蛇行を繰り返して多様な地形を作り出しています。特にヘアピンのように大蛇行する箇所は人気のスポット。また蛇行のお陰で日当たりの良い南向き斜面が多くワイン用のブドウ栽培に適しているうえ、川が削った急斜面は水はけも抜群。特に最大斜度68度のブレマー・カルモントと呼ばれる崖に作られたブドウ畑は、高級ワインの特級畑に指定されています。更に日中の寒暖差が大きく霧がよく発生し、神秘的な景色が楽しめます。

名所

ルート上には多くの観光名所があります。枚挙にいとまがないですが、まずはドイツ三大美城の一つ、エルツ城。それから日本アニメの舞台となったライヒスブルク城とワインの町、コッヘム。フランス軍が17世紀に建設したモンロイヤル要塞遺跡。西暦 220 年頃ローマのワイン商人の墓石として彫られた当時のワイン船。西暦 200年頃に建設されたローマ帝国の市門ポルタ・二グラ(世界遺産)など。

モーゼルシュタイクを歩くことで、モーゼル川の水運で発展したこれら地域の重要遺跡を訪ねることが出来ます。観光時間を確保すると、地域の歴史・文化をより一層楽しめます。

ワイン

なんといっても外せないのがモーゼルワイン!多くのブドウ畑を通り、ワイン醸造の現場を訪れることが出来ます。日々生育し、実がなり、熟して収穫され、葉が色づき落ちて、次の年へ力を蓄えるブドウを身近に感じながら歩く。移り行く季節感も楽しめます。

この地域にはワイングートと呼ばれる小規模のワイン醸造家が多いのが特徴。このロングトレイル最大の楽しみは、ワイン醸造家が営むホテル(というか、民宿?)に泊ること。地元の家庭料理を味わいながら、その日に歩いてきたブドウ畑のワインを満喫。日当たりの良かった畑のワインは美味しいのか、水はけの良い急斜面のワインは?赤土土壌のワインは?など、思いを馳せながら楽しみ、あとは部屋で寝るだけ。夏の週末には常にどこかの街でワイン祭りも行われます。夜に飲んだワインが気に入れば、翌日購入することも出来ます。

パートナートレイル

モーゼルシュタイクには、「パートナー」と認定された35のトレイルがあります。モーゼルシュタイクの近くに設定された周遊トレイルで日帰りトレッキングを楽しんだり、少し離れた街や遺跡に寄り道したり(所謂「サイドジャンプコース」)、距離を縮めて簡単なトレイルにしたりと、様々なアレンジが可能です。次回は詳細編、今回はここまで。

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