【HR10】オート・ルート/モンブランからマッターホルン~ロングトレイル10日目

オート・ルート(シャモニー~ツェルマット)

ヨーロッパ・アルプスを代表する二つの名峰モンブランとマッターホルン、この麓町(フランス・シャモニー、スイス・ツェルマット)を繋ぐ約180kmのロングトレイル、オート・ルート(Haute Route)。HR10日目は、ミッションからグルーベンまでの19km(登り1,679m、下り1,190m)、約10時間の行程です。

ミッション出発

ミッション

今日の行程は1,000m超の上り下りに加えて移動距離も約20kmと長丁場の一日。朝のうちに極力進むべく、今朝は4:30起床。昨晩からの雨で濡れたテントを畳み、雨具を着込んでミッションのキャンプ場(標高1,304m)を6:00に出発。

町外れのキャンプ場から、林の中を進んでいきます。最初の目的地は、山腹に立つヴァイスホルンホテル(Hotel du Weisshorn、標高2,337m)。ミッションからだと、ちょうど1,000mの登り。少し高度が上がると、先程出発したキャンプ場が見えてきました。

ジロ

山道を登り続けること1時間40分、ジロ(Gillou、標高1,832m)の集落に到着。目的地のホテルまではまだ半分程度。雨模様の中、長い登り道をどんどん進みます。途中、なめこそっくりのキノコを発見。昨日見たポルチーニ茸の印象が強く、ついキノコを探しながら進んでしまいます。

今度は放牧された牛と朝の挨拶。今回は親切にルートを譲ってくれました。ジロの集落から更に登ること約1時間、ルート脇に素敵なピクニック施設を発見。嬉しいことに屋根まであります。歩き始めて2時間半強経過したので、ここで朝食タイム。お湯を沸かしてコーヒーも。冷えた体には最高の贅沢です。

ヴァイスホルンホテル

朝食を終えてトレイル再開。山道を約30分登ると、ついにヴァイスホルンホテルが見えました。長かった急登もようやくこれで終わり。今日は残念ながら雲で楽しみにしていた景色は望めませんでしたが、ともあれ最初の目的地には無事到着。

1882年に建設されたヴァイスホルンホテルは、本トレイルの中でも屈指の人気ホテル。素晴らしい絶景が楽しめることから、結婚式などにも利用されています。このホテルで一泊するハイカーも多いので、予約は必須です。

ここでガイドブックに記載されているルートと合流します。ガイドブックのルートは、ソルボワ峠からジナルへ下り、ジナルからヴァイスホルンホテルへと向かいます。今回はミッションのキャンプ場を経由したため少し変則的なルートでしたが、これで正規ルートに戻ります(なお、ジナルからは更に別のルートも有り)。

マイト峠

コンバヴェール湖へ

ヴァイスホルンホテル(標高2,337m)を後にして、先へ進みます。次の目的地マイト峠(Meidpass、標高2,790m)はここから約2時間。歩き始めると、雲の切れ間からは眼下の景色が僅かに見えます。このルートも晴れた日には絶景のようですが、この日は残念な状態。

足元はぬかるんでいますが、こんな雲の中でもルートは分かり易く整備されており、道に迷うことも無く先へ進んでいきます。分岐点を越えて振り返ると、歩いてきた道がうっすらと見えます。その後も景色は断片的に見える状態。

巨大な岩山を過ぎると、コンバヴェール湖(Lac de Combavert、標高2,442m)への分岐点に到着。ヴァイスホルンホテルからは約1時間。生憎の天気なので湖の絶景は期待できないものの、折角なので湖へ少し寄り道します。

コンバヴェール湖

分岐点から5分程でコンバヴェール湖に到着。結構大きな湖です。天気が良ければ湖面が輝き、休憩場所に最適です。湖畔に寝転んで一眠り、としたい所ですが、今回は早々に撤退。

ランチ休憩

本ルートに戻り、マイト峠を目指します。ルートは比較的緩やかな登り道。幸いなことに天候が少し回復してきました。前方には荒々しい山容が望め、後方を振り返ると、雄大な景色の中を進んできたのが分かります。天気が良いと、歩く楽しさも格段にアップします。

黄色の花々が辺り一面に咲き誇る中を進んでいくと、少し平らな場所を発見。時刻も12時頃のため、ここでランチ休憩。眼前には小川が流れ、所々に池のように水が溜まっている場所があります。その先は台地の下へ一気に流れ落ちているようです。雄大な山脈も背後には見え、気持ちの良い休憩となりました。

マイト峠への上り

ランチ休憩を終え、マイト峠への登りを再開。ルートは徐々に上り坂となり、次はジグザグ道で高度を上げていきます。峠越えの終盤に差し掛かってきたようです。ジグザグ道なので、ある程度まで登ると眼下を見渡せます。ランチ休憩した辺りは、上から見ると緑の湿原の一部のようです。後ろから続くハイカーの姿も見えます。

そしていよいよ峠が見えてきました。足元のルートはよく整備されており、歩き易い道が続きます。一直線に峠へと伸びる道を終えると、マイト峠に到着。峠の先には、これまでの湿地の景色から一変し、荒々しい礫・砂利主体の大地が拡がります。

宿泊地グルーベン

マイト峠

マイト峠(標高2,790m)から本日のゴール、グルーベン(Gruben、標高1,825m)までは約1時間40分、ここからは下りが続きます。行く手には、氷河が削ったモレーン地形が拡がります。これまで踏破してきたルートでも度々見かけた馴染みのある光景です。

天気は再び曇り模様ですが、幸いにもこれから進むルートははっきりと見えました。まずは前方のマイト湖を目指して出発。マイト峠からの下りも、しばらくの間、ジグザグ道が続きます。眼下の景色が一望できるので、気持ち良く下っていきます。

マイト湖

平らな場所まで下ってくると、周囲には草花が拡がります。緑の大地になると、不思議と安心感が出てきます。しばらく進んでいくと、マイト湖へ到着(Meidsee、標高2,661m)。午前中に見たコンバヴェール湖同様、晴れていればここも絶好の休憩場所です。

オーバースタフェル

マイト湖を後にして、緩やかな下り坂を進んでいきます。天候は再び雨模様となり、霧で遠くまで見渡せませんが、ルートに迷うことはありません。マイト湖から50分程進むと、オーバースタフェル(Oberstafel、標高2,334m)の分岐点に到着。

ここにはこれまで見かけなかった珍しい大きなテントが幾つか立っています。牛飼い用の小屋なのか、宿泊者用なのかは不明ですが、想定外の施設がいきなり登場したので驚きました。そしてここの案内板によれば、本日のゴール、グルーベンまではここから約1時間。長い一日も終わりが見えてきました。

グルーベン

分岐点を過ぎると、ルートは一変し、ジグザグ道で森林限界の下へと標高差約500mを一気に下ります。しばらく進むと、ミッテルスタフェル(Mittelstafel、標高2,266m)の集落が見えてきました。これを越えて、さらに下っていきます。

下り始めは雲の上でしたが、いつの間にか雲の下まで降りてきました。ついに前方に集落が登場、トゥルトマンのグルーベン(標高1,825m)に到着です。グルーベンにはキャンプ場が無いので、今日は山小屋のようなホテルに宿泊。

なお、グルーベンは山間の小さな集落なので小売店などはありませんが、ホテルの中ではチョコレートなどのちょっとした行動食を購入出来ます。明日も激しい上り下りが控えているので、今夜は早めに就寝。今回はここまで。

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