【オーストリア】ヨーロッパ・スキー ~キッツスキーエリア(キッツビュール、キルヒベルグ、ミッタージル)

オーストリア

ヨーロッパ・アルプス周辺の国々の中でも、多数のスキーリゾートを擁するスキー大国オーストリア。その代表格であるキッツスキーエリアは、チロル地方の町キッツビュールを中心に一大スキーリゾートを形成しています。今回はこの人気スキーリゾートを訪れ、アルプスの絶景を眺めながらヨーロッパスキーを満喫してきました。

キッツスキーエリア

概要

キッツスキー(KitzSki)エリアとは、オーストリアのチロル地方(オーストリアほぼ中央のアルプス山麓)の町キッツビュール(またはキッツビューエル、Kitzbühel)を中心に、周辺のキルヒベルグ(Kirchberg)やミッタージル(Mittersill)に跨る一大スキーリゾートを指します。

オーストリアには、この他にもアールベルク(レッヒ、ツュルス、サンクト・アントン等)やインスブルック(シュトゥーバイ氷河等)、イシュグル、モンタフォンなどの有名スキーエリアがあります。いずれも広大なゲレンデを擁し、国内外から多くのスキーヤーが訪れる人気のスキーリゾートです。

歴史

スキーリゾートとしての歴史は古く、アルペンスキーの黎明期である1893年にオーストリア人フランツ・ライシュがキッツビュール近郊の山キッツビューエラー・ホルンからのスキー初滑走に成功、これを皮切りにスキー人気が高まり、1903年にはキッツビュール初のホテルが開業。1929年にはハーネンカム・コースへのケーブルカーが開通、その2年後には同コース初のスキーレースが開催されています。

その後、冬季W杯開催や宿泊施設・ケーブルカーの新設・拡張工事が盛んに行われ、キッツスキーエリアは世界的に有名なスキーリゾートとしての地保を固め、2005年新たに3Sロープウェイが開業(全長3.6km、所要時間約9分、輸送能力3,200名/時)、これによりスロープ全長230km、リフト57機を擁する一大スキー場へと発展しました。

2021年からはスキーヴェルトと呼ばれるより広範囲のスキーコースと接続されたこで、キッツビュール周辺の9村から直接ゲレンデにアクセスが可能となり、スロープ全長270km超のコースを存分に楽しむことが出来ます。

ゲレンデ(ピステ)

コース概要

広大なゲレンデが拡がるキッツスキーエリアでは、初級者から上級者までレベルに応じた多様なコースを楽しめます。スキー、スノーボートのトリック用パークをはじめ、そり、雪山ハイキング、クロスカントリーなど目的に応じたコースも充実。ナイター営業のコースもあります。運営会社のウェブサイトではインタラクティブなマップが公開されています。

スキーのツーリングコースも多数整備されており、山々をスキーで横断することも可能。ヨーロッパの他のスキー場と比較しても、林間コースや尾根を繋ぐコースが充実している印象があります。天気に恵まれた日に尾根沿いを滑走すると、ヨーロッパスキーの醍醐味を満喫出来ます。なお、ツーリングコースのルートはウェブサイトでGPSデータも公開されています。

スロープ

ゴンドラ、リフトの乗降口付近やゲレンデの一部ではやや混雑が見られたものの、コースが圧倒的に広く長いので、絶景を楽しみながら各自のペースでのんびりと滑ることが出来ます。3月初旬に訪れましたが、コース外で一部雪が解けている箇所があったものの、大半のコースがオープンしており、ヨーロッパスキーを存分に満喫出来ました。

天空の尾根下りコース

尾根沿いを滑り降りるコースは抜群に気持ちが良く、思わず「天空の尾根下りコース」と命名したくなります。しかも尾根コースは傾斜がなだらかな場所が多く、難度の高い箇所には迂回路も設定されているので安心して滑れます。

山小屋やオープンカフェ

絶景を眺めながら食事ができる山小屋も当然ありますが、ゲレンデにスキーを脱ぎ、そのままテーブルにつけるオープンカフェもあります。朝一のカフェは、常連さん達の憩いの場になっていました。ゲレンデが広いものの、こうした山小屋やカフェも多数あるので、休憩や食事に困ることはありませんでした。

8人乗りリフト

これまで見たことが無い8人乗りリフトを発見。8人満席で乗り降りするとぶつかりそうになるので要注意。もっとも、リフトは比較的空いていたので、8人席に4人以下で乗るケースが多かったです。

ゴンドラ

前述の3Sロープウェイは30人乗りですが、大半のゴンドラはスキー場で良く見かける一般的なものです。路線は幾つもある上、輸送距離が長いものも多数存在。ゴンドラから眺める景色も素晴らしいです。

キッツスキーエリアの滞在場所

キッツビュール

キッツスキーエリアの中心地キッツビュールには鉄道駅があり、ゲレンデにも直結しています。宿泊ホテルや飲食店が充実しているほか、カジノや高級ブランドショップも軒を連ねる高級リゾートとしても有名。町中を散策しているだけでも十分楽しめる場所です。

高級ホテルも多数建ち並び、サウナやスパ、高級レストラン、ゴルフ場まで備えた5つ星ホテルも幾つかあります。また、プールとサウナを併設したアクアアリーナと呼ばれる施設があり、スキーチケットと併せて購入することも可能。

もちろんスキー用具のレンタル店は多数あるので、身軽で訪れても全く問題ありません。事前にオンラインで予約すると割引を得られる店も多いので、予めチェックしておくのが良いと思います。

キルヒベルグ

この素晴らしいスキー場をじっくりと堪能するにはある程度の日数が必要。比較的安価に滞在し、滑ることに専念したい方には、キッツビュール近郊のキルヒベルグが良いかもしれません。物価が庶民的でアパートメントの数も多く、スーパーやパン屋もあるので長期滞在に最適です。

ゲレンデがとにかく広いので、キルヒベルグなどキッツビュール近郊の町や村からでも直接ゲレンデにアクセス出来ます。スキーシーズン中であれば、無料のスキーバスが頻繁に往来しているので、好きなコースへ移動するのも簡単です。

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