【TJR3日目】ツール・ド・ユングフラウ ~ ロングトレイル

ツール・ド・ユングフラウ

ヨーロッパアルプスの名峰ユングフラウ、メンヒ、アイガーを擁するスイス・ユングフラウ地方を10日前後で一周する約120kmのロングトレイル、ツール・ド・ユングフラウ(Tour of Jungfrau Region)。トレイル3日目は、フィルストからグローセ・シャイディックを経てグリンデルワルトの西側、ヴェッターホルン手前までの18km(上り759m、下り1,728m)、7.5時間の行程です。

出発地フィルスト

トレイル3日目は、フィルスト(First)ゴンドラ駅に併設された宿泊小屋から出発です。昨夜の雨から一変し、薄明りの空の下、アイガー、シュレックホルン、ヴェッターホルンが雲海の上から姿を覗かせています(フィルスト標高2,167m)。初日に宿泊したシニゲ・プラッテからの景色と比べてかなり接近してきました。

人気のクリフウォークも貸切状態です。静寂の中、空中に突き出た先端へ立つと大迫力の山塊が迫ってきます。スリルも満点です。ここから断崖に設置されたクリフウォークにも行けるようですが、ルートは封鎖されていました。

フィルストからグローシェ・シャイデック(Grosse Scheidegg、標高1,962m、「大きな峠」の意)へのルートは、アイガーなどの名峰を間近に楽しめるうえ、山岳リゾート・グリンデルワルトからも日帰りでアクセスできることから、観光客にも大変人気のコースです。今朝はまだ人もいないので、爽快な気分で出発です。

グローシェ・シャイディックへ

神秘的な滝雲

宿泊小屋からグローシェ・シャイデックに向かってなだらかな下り坂を進んでいくと、峠の左側から右側に向かって流れる滝雲に遭遇。雲がグリンデルワルト方面に向かってどんどん流れていきます。本当に滝のようで、神秘的な光景です。

日が昇るにつれ、オーバーラントの山々にも朝日があたり始めました。雲海に浮かぶ姿が雄大です。ルートは比較的平坦で、幾つか小川を超えて進んでいきます。標高が下がるにつれて霧が出てきました。先程見ていた滝雲の中に突入していきます。

その直前、一瞬霧が晴れて、ヴェッターホルン(Wetterhorn)直下を流れていく滝雲が見えました。僅か数十秒の光景でしたが、堂々としたヴェッターホルンとその荒々しい山肌をバックに、霧の中で乱反射した太陽光が眩しいほど綺麗でした。

マーモット・トレイル

グローシェ・シャイデックへ向かうルートには、マーモット・トレイルと呼ばれるルートもあります。このルート上にはマーモットの巣が多数あり、比較的容易に出会えるそうです。もっとも、昨日既にマーモットとは出会っているうえ、少し寄り道にもなるので今回は同ルートを進みませんでした。

マーモット・トレイルへの合流付近には木彫りのマーモット像があります。記念撮影だけして元のルートを進んでいくと、道のすぐ近くでマーモットが巣から這い出ていました。かなり近い距離ですが、全然逃げません。普段多くの観光客が通るせいか、人に慣れているのかもしれません。

またこの付近にはブルーベリーも沢山なっていました。朝のデザートとして、朝露のついた実を幾つか頂きました。さっぱりとしていて、美味しかったです。

霧の中を進んでグローシェ・シャイデックへ

さて、滝雲の中に入ると、本当に先が見えません。ルートからはグリンデルワルトの町やヴェッターホルンなどが綺麗に見えるはずですが、霧で真っ白。景色は全く望めない状態です。

そんな中、いきなり大きな鳥が一匹飛び立ちました。雷鳥です。急いで撮影準備をしましたが、残念ながら間に合わず。頭についた赤い色が印象的でした。

霧の中はかなり冷え込んでいたので、体を温めるべくペース良く歩いていきます。撮影場所も特になく、すんなりとグローシェ・シャイデックへ到着。ここにはホテル・レストランやグリンデルワルトからのバス停もあります。

グレック・シュタイン小屋へ

無人販売所

この日はTJRから外れて、ヴェッターホルン中腹にあるグレック・シュタイン小屋(Gleckstein Hut)を目指します。ガイドブックに記載されていたおススメのルートです。グリンデルワルトへ下る途中に分岐点があり、そこから小屋へのルートが続いています。

グローシェ・シャイデックにはバスも来るので、グリンデルワルトまでつづら折りの舗装道路が整備されていますが、これとは別に歩き道もあります。それでは早速ホテル前からグリンデルワルト方面へ下ります。

するとすぐに伝統的な集落の建物が幾つかあり、その一つでは無人販売所が設置されていました。冷蔵庫を開けてみると、中にはチーズやソーセージ、ジャムなどが。この地域で製造されたものが販売されている様です。

グレック・シュタイン小屋のルート入口へ

無人販売所を過ぎた頃はまだ霧の中でしたが、霧の下まで下ると視界も開けてきました。道路はつづら折りですが、歩き道は草原を直線的に下りていきます。途中、汽笛のようなサイレンを鳴らしながら、バスも通過していきます。

小屋へのルート入口に到着。ここにはバス停もあります。小休止をして小屋へと向かいます。

動物シリーズ

小屋に向かうまえに、ここで出会った動物シリーズです。このトレイルでは既に常連となったマーモット、家畜の豚、子牛、それから美しい黄色の小鳥です。

ルート途中で断念

小屋へのルートに入り最初の岩場を抜けると、雪渓が出てきました。これを越えると、断崖に沿ってルートは続きます。登り始めると、足場は悪い上に落下防止用の柵などもありません。さらに、この日はこれから雨予報。重い荷物も背負っているので、不本意ながらこの日はここで断念です。

一方、ここからはグリンデルワルトが綺麗に見えます。綺麗な花も沢山咲いていたので、ランチ場所を探しながら、今日の宿泊先へと向かうことにします。

宿泊ホテルへ

ランチ休憩

花々が咲き乱れる中を下っていくと、芝生が広がる場所を発見。早速ランチにします。グリンデルワルトの町並とアイガー、シュレックホルン、ヴェッターホルンを眺めながらの贅沢なランチとなりました。午後はグリンデルワルトへの散策としたので、コーヒーを沸かしながらのんびりと休憩です。

宿泊ホテルへ

ランチを終えて林間コースを下っていくと、一般車の出入可能な最高地点、且つ通常バスの終点となるヴェッターホルンホテル前に到着。ここはランチ客などで大変賑わっていました。確かにここからのヴェッターホルンは大迫力です。本日の宿泊先はここから少し下った先です。

ホテルからの眺め

ホテルからの眺めが素晴らしく、夕日に染まるシュレックホルンは幻想的でした。夕方には野生のキツネも登場。そして勿論、アイガーもバッチリ見えました。本日はこれまで。

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