【VA1-D12】 Swiss Via Alpina 1/スイス横断のロングトレイル12日目

スイス・ヴィアアルピナ1

スイス国内を東から西へと横断する総距離390kmのロングトレイル、スイス・ヴィアアルピナ1(別名:クロッシングスイス、 Crossing Switzerland)。スイス隣国リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを出発し、スイス国内の風光明媚な絶景を満喫しつつ、全20ステージ・14の峠を越えて(累積標高差23,600m)、レマン湖畔の町モントルーを目指します。今回は12日目(ラウターブルーネン~グリーサルプ)編です(概要編はこちら)。

ミューレン

ラウターブルンネン出発

本日の行程は、ラウターブルーネンを出発し、ミューレン、ロートシュトック小屋を経てゼフィーネンフルク峠へと登り、その後はグリーサルプへ下る総距離24km(登り1,850m、下り1,240m)、所要時間10時間のロングコース。

昨晩受け取ったランチパックの中からバナナを食べて、朝5時にラウターブルーネン(Lauterbrunnen、標高790m)のホテルを出発。ランチパックは、エナジードリンクとサンドイッチ6個という豪華版。外はまだ真っ暗な状態。ヴィアアルピナ本線に合流した後、駅前を通って山道へ入ります。

ここから急坂がスタート、ヘッドライトの明かりを頼りにどんどん高度を上げていきます。道端に目をやると美しい白いユリが。夜明け前なのに、綺麗に咲いています。一時間ほど登ると、避難小屋に到着(標高1,253m)。ピクニック用のテーブルセットもありますが、ここは休憩せずに先へと進みます。

迂回路

最初の目的地ミューレンの村(Murren、標高1,638m)までは、ここから約1時間半。山道を登っていくと、少し開けた斜面に出ました。事前のチェックでは、このあたりの一部区間が崩落の影響で要迂回、となっていたので注意して進んで行くと、案の定、通行止め・迂回路の表示を発見。

迂回路に従って、斜面を登ります。高度が上がるにつれ、谷向こうの景色が見えてきました。ユングフラウはまだ雲の中。更に登っていくと、谷向こうの中腹に昨日通過したウェンゲンの町を発見。これで昨日下った分を登り返した恰好。

迂回路を進んで行くと、線路が出現。偶然、運行車両が来たので急いで撮影準備。レトロな雰囲気を持つ、可愛らしい車両でした。しばらく進むと、鉄道駅ウィンターレッグ(Winterregg、標高1,578m)に到着、駅舎も綺麗です。

ミューレン

ここまで来るとルートも平坦になり、ミューレンからランニングをしてきた人とすれ違うようになりました。進行左手側には未だ雲を被ったユングフラウ、晴れていれば間違いなく絶景ルートです。砂利道ですがよく整備されており、確かに朝のランニングに最適な気持ちの良いルートが続きます。

線路脇を40分程進んで行くと、ミューレンに到着。山岳リゾートとして観光客も多く、以前宿泊したこともある懐かしい場所です。丁度八時を過ぎた頃なので、ここで朝食タイムとします。地元産の乳製品を扱うお店を発見、ヨーグルトをゲット。

ロートシュトゥック小屋

ミューレン出発

ミューレンには鉄道駅とケーブルカー駅があります。朝一とはいえ、麓町から多くの観光客・ハイカーが続々と集結、町中は賑わい始めています。大きな荷物を背負ったパラグライダーを楽しむ人達も大勢います。さて、懐かしの町に別れを告げてトレイル再開。

ここからは開けたルートを進みます。途中、眼下に見える山の案内板を発見。ヴェッターホルンの山容と登頂ルートなどが記されていました。ここ数日よく見てきた山だけに親しみを覚えます。ですが、山頂辺りは雲の中。残念。牧草地の中を更に登っていきます。一時間程進むと、山小屋スピルボーデン(Spilboden、標高1,793m)に到着。

ロートシュトック小屋

ここからロートシュトック小屋までは約一時間。激しい登りが続きます。ルートは引き続き見晴らしが良く、谷向こうの山並みが良く見えます。が、上部は未だ雲に覆われている状況。足元はよく整備されており、危険な箇所はありません。ジグザグ道の連続で、高度を上げていきます。

進行方向に山並みが見える場所もありますが、雲が微妙に覆っているので全貌は次回にお預け。牧草地を登ってくると、見覚えのある風景が見えてきました。シルトホルン山の展望台を頂点にカールが拡がり、そのなだらかな斜面が続く先に見えるのがロートシュトック小屋(Rotstockhutte、標高2,039m)。ついに到着。

この直前、昨日から度々挨拶を交わしたチェコ人カップルと再会。良い機会なので、一緒に小休憩することになりました。

ロートシュトック小屋小休止

ロートシュトック小屋、ここでの宿泊はドミトリーと個室の両方があります。前回は運よく空いていた離れの個室に宿泊。温水シャワーが無く、水浴びをした記憶が蘇ります。前回宿泊時の記事については以下ご参考。今回はここから峠越えに挑みます。その前に、チェコ人とのカフェタイムを満喫。

(ご参考)【TJR9日目前編】ツール・ド・ユングフラウ~ロングトレイル

ゼフィーネンフルク峠

峠中腹への登り

時刻は丁度正午を回った頃、ロートシュトック小屋を出発。ゼフィーネンフルク峠までは1時間半強。峠を目指して進んでいくと、一段高くなっている場所が見えてきました。その高台部分まで登ると、今度はその先に更に高い岩壁が見えます。

岩壁の窪んでいる部分に目を凝らすと、何やら人影らしきものが。望遠カメラで様子を伺うと、やはり人の集団。峠はかなり急峻な場所にあるようです。いかにも峠、という、挑戦し甲斐のある峠です。道脇にはランチ休憩している人も増えてきましたが、先程小屋で小休止したので、ここは一気に峠へと向かいます。

アイベックス

小屋から一時間ほど登ってきました。振り返っても既に小屋の姿は見えません。雪渓が残る中をどんどん登っていきます。有名な峠だけあって、ハイカーも沢山います。ふと視線を変えると、その先には動物の群れが。アイベックスです。

立派な角が特徴で、アルプスのロングトレイルでは度々登場してくれます。峠越えで疲れていましたが、折角登場頂いたので、暫しの間、撮影タイム。

ゼフィーネンフルク峠

峠への最後の登りがスタート。足場は砂利交じりで滑り易く、斜度も急になってきました。遠くから見た通り、急峻な登りです。ストックでバランスを取りながら、着実に登っていきます。斜度は更にきつくなり、足場も悪くなるとロープが登場。尤も、ロープを使うよりも自力で登る方が安全そうです。

ロープ箇所を超えると今度は木製階段。最近設置されたようで、比較的新しく、安心感があります。これを一気に登っていくと、ついにゼフィーネンフルク峠(Sefinenfurgge、標高2,612m)に到着。ここにはスタンプボックスが設置されているので、早速スタンプをゲット。狭い場所ですが、ここで遅めのランチ休憩。

峠からの景色

急峻な峠だけあって、峠からは登ってきたルート、進むルートが一望出来ます。峠には次から次へと人が登ってくるので、あまりのんびりせずに、下りへ向けて荷物を整えます。30分程ランチ休憩をした後、トレイル再開です。気持ちの良い峠越えでした。

グリーサルプ

峠からの下り

峠からはこちらも木製階段が整備されています。それでも急な下りなので、慎重に進みます。視線を先に向けると、眼下にはこれから進むルートを一望出来ます。階段を過ぎても、足元は引き続き滑り易く、急な下りが続きます。ここを一気に下って行くと、放牧されたヤギの群れに遭遇。彼らにとっては急斜面も全く問題ないようで、美味しそうに草を食んでいます。

川沿いまで来ると急斜面も終わり、比較的緩やかな下りになります。峠から50分程下ると、農家小屋に到着(標高1,995m)。本日のゴール、グリーサルプまでは残り約1時間半です。

休憩

農家小屋を過ぎて、更に下って行きます。峠ではのんびりと休憩出来なかったので、見晴らしの良い場所で休憩とします。長時間歩いてきたので、だいぶ疲労が溜まっています。今日のゴール地点も視野に入ったので、ここでお昼寝タイム。

グリーサルプ

気持ちの良い休憩を終えてトレイル再開。牧草地帯が広がる中をどんどん下って行きます。カウベルの音が心地よく聞こえてきます。視界の開けた農道を進んで行くと、前方には氷河も見えます。ルートは歩き易い農道なので、ペース良く進みます。

そしてついに今日のゴール、グリーサルプへ入りました。山間の静かな村ですが、ハイカーには人気の場所です。宿泊先の山小屋ゴルダリを発見、何とか17時前には到着出来ました。

山小屋ゴルダリ

山小屋ゴルダリ、なんと入口前の看板には日本語の案内が。年季の入った案内板ですが、女主人とお話すると、以前は多くの日本人観光客・ハイカーが来ていたそうです。長い一日でしたが、今日も無事ゴールに到着。スタンプもゲット。明日に向けて、英気を養います。今回はここまで。

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