【TJR4日目】ツール・ド・ユングフラウ ~ ロングトレイル

ツール・ド・ユングフラウ

ヨーロッパアルプスの名峰ユングフラウ、メンヒ、アイガーを擁するスイス・ユングフラウ地方を10日前後で一周する約120kmのロングトレイル、ツール・ド・ユングフラウ(Tour of Jungfrau Region)。TJR4日目はヴェッターホルンホテルからベーレック小屋へ登り、マルモアルプに下る13km(上り853m、下り634m)、5時間の行程です。今回の見所はベーレック小屋から眺める氷河です。

ミルヒバッハ小屋へ

今朝は快晴、窓の外には雲一つ無いヴェッターホルン(Wetterhorn)とアイガー(Eiger)が見えます。 ヴェッターホルンは「天気予報の山」とも言われ、きれいに見える日は晴れるそうです。気分良く朝食をとり、早速出発です。

ヴェッターホルンホテル前に到着(標高1,228m)。昨日は霧で見えなかったシュバルツホルン(Schwarzhorn)もその特徴的な山容を見せてくれました。駐車場の端からルートに入り、氷河から流れ出る川を渡ってミルヒバッハ小屋(Chalet Milchbach、 標高1,349m)を目指します。

氷河を望める急登ルートを選択し、ジグザグ道を一気に登るとミルヒバッハ小屋に到着です。以前は氷河を望めたとのことでしたが、今ではその面影もなく、見所を失った小屋は閉鎖されていました。地球温暖化の影響によりアルプス各地の氷河は近年後退が著しいと言われますが、ここで目の当たりにしました。

プフィングシュテックへ

迂回路

次の目的地プフィングシュテック(Pfingstegg、標高1,392m)には、見晴らしの良い高所道(Höhenweg)を進む計画でしたが、ミルヒバッハ小屋を少し下ったところで通行止めの案内がありました。崖崩れが発生した模様です。

幸い迂回路があったのでこれを進みます。所々に急造ルートの跡が見受けられますが、ルートの標識は分かり易く、暫く進むと元のルートに合流しました。この辺りからは、トレイル2日目の宿泊地フィルストや3日目に踏破してきたルートを一望できます。

ブライトロウヴィナ・トンネル

高所道を進んでいくとトンネルが出現、2005年完工のブライトロウヴィナ・トンネル(Breitlouwina Tunnel)です。トンネル内には照明があり、手持ちのライトが無くても問題なく進めます。また所々で外と繋がる場所があるので、安心感があります。

明り取り部分に注目すると、鍾乳石の赤ちゃんができているのを発見。以前、英国の鍾乳洞でも同じような「人参」鍾乳石を見たことがあります。トンネルを抜け少し登ると、グリンデルワルトの町が一望できます。

(ご参考)【ヨークシャー・デールズ】鍾乳洞探検へ!~ホワイト・スカー・ケーブ

プフィングシュテック・ロープウェー駅

プフィングシュテックにはグリンデルワルトからロープウェイが運行しており、駅に近づくにつれ、次々とゴンドラが上ってきます。後ろを振り返ると、昨日は滝雲で一面真っ白だったグローシェ・シャイデックとヴェッターホルンが鮮明に見えます。歩いて来た道が見えると嬉しくなります。

さて駅に到着です。ここにはレストラン・カフェがあり、トイレも完備。滑り台など子供用アトラクションも充実しています。グリンデルワルトの町も良く見えます。

ルートに戻り先へ進み始めると、今度は進行方向から絶景が飛び込んできました。アイガー東壁、北壁です!本当に険しくも美しい山容ですね。見る角度によって、様々な表情を見せてくれます。これからあの東壁に向かって進んでいきます。楽しみです。

ベーレック小屋へ

ベーレック小屋への登り~前半

アイガー東壁のすぐ近くまで来ました。これからグリンデルワルト氷河が削り出した谷に入ります。シュレックホルン(Schreckhorn)に連なる北端の高峰メッテンベルグ(Mättenberg)の山肌を谷沿いにベーレック小屋(Bäregg)まで進みます。ここはユネスコ世界遺産区域です。

ルートは崖沿いで、落下防止用の柵が無い所も多く慎重に進みます。谷底には氷河水が流れ、巨岩が転がっています。近年も大きな崖崩れが発生するなど、氷河が谷幅を拡げてきた大自然の様子を肌で感じられる谷です。

アイガー東壁を右側に望みつつ、グリンデルワルト氷河を遡っていきます。正面にはフィッシャーホルン(Fiescherhorn)の山並と谷奥のイシュメーア(Ishmeer)氷河が拡がる、正に絶景コースです。ルート上には楓の木の化石もあります。

ベーレック小屋への登り~後半

この谷では羊の放牧も行われています。ここで羊さん達と一緒に小休憩。目の前には丁度アイガー東壁と南壁の一部が見えます。氷河が流れていたような痕跡が見られますが、温暖化の影響でこの氷河も大分後退している様です。

さあ、それでは再出発です。羊の群れと別れ登っていくとベーレック小屋が見えてきました。それにしても、すごい場所に建設されています。フィッシャーホルンがかなり近づいてきました。そして小屋に到着、標高1,770mです。

ベーレック小屋

小屋にはテラス席があり、ここまで登ってきたハイカー達が絶景を見ながら休憩しています。早速、ビールを注文します(ノンアルコールですが)。スイスの山小屋では大半の施設でノンアルコール・ビールを提供しています。美味しいビールと氷河の絶景は最高です!

テラス席の最前方に行くと、そこからは圧巻の景色が拡がります。天気にも恵まれ、寄り道してまで見に来た甲斐があります。小屋ではドリンク以外に食事類も提供しており、トイレも利用出来ました。それでは来た道を引き返し、今日の宿泊地グリンデルワルトまで戻ります。

マルモアルプへの下り

まずはマルモアルプ(Marmoralp、標高1,120m)へと下りますが、その前に持参したランチを絶景ポイントで取ります。食事中、夏毛のオコジョを発見。急いでカメラを準備し撮影チャンスを待ちますが、非常に素早く走り回るので上手く写せませんでした。残念です。

グリンデルワルト方面を見ながら下っていきます。景色が開けているので、下りも気持ちの良いルートです。再び羊の群れにご挨拶。最後は林間コースを下りマルモアルプへ到着です。

グリンデルワルトへ

マルモアルプ

マルモアルプ(Marmoralp)には山小屋があり、食事や飲み物なども提供しています。今夜の宿はグリンデルワルトなので、ここで一旦TJRのルートから外れます。明日はここまで一度戻り、TJRを再開します。

宿泊ホテルへ

林間コースの急坂を下っていくと、目の前にいきなり黒リスが登場。しばらく観察タイムです。グリンデルワルトの町に入ると、今度は上空に鷹を発見。これは撮影に苦労しました。

町中に入ると庭やベランダに花を飾っている家が多く、町全体に明るさを感じました。そして無事本日の宿泊先へ到着です。

部屋からの景色

部屋からはアイガーが望めました。夕焼け時は綺麗に染まります。今日はここまで。

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