【TMR5】ツール・ド・モンテローザ~ロングトレイル5日目

ツール・ド・モンテローザ

スイス・イタリアの国境を越えて名峰モンテローザの周囲を一周する約180kmのロングトレイル、ツール・ド・モンテローザ(TMR)。氷河歩きや高所歩道などスリル満点のトレイルを体験できるこのコースは、ヨーロッパアルプスのトレイルの中でも屈指の人気コース。今回は5日目(プランメゾンからシャンポルックまでの21km、上り600m、下り1,400m、8時間)の行程です。

チェルビーノに別れを告げてビアンケ峠越えへ

本日のルートは、スイス・イタリアに跨るチェルビーノ(マッターホルン)の麓プランメゾン(Plan Maison)から南下、(昨日外れた)TMR正規ルートに合流後ビアンケ峠(Delle Cime Bianche)を超え、その後は緩やかにイタリアの観光地シャンポルックへ下るコース。TMRの中では比較的歩き易いコースです。

プラン・メゾン周辺

出発地点プランメゾンは、ゴンドラ駅のすぐ脇です。ここは大迫力の氷河を間近で楽しめる場所ですが、今朝は雲で上部が隠れていました。一方、谷方面は晴れており、眼下にはチェルビーノの観光拠点(イタリア側)アオスタ谷ブレイユ=チェルヴィニアの町が拡がっています。

さあ、出発です。まずはTMRへ合流すべく比較的平坦な近道を進みましたが、怪しい空模様の中、コースに危険を感じ断念。一度引き返した後、昨日下った道を地道に登り、再度TMRへ向かいます。この間に天候が回復、青空の下、陽光が差してきました。昨晩からずっと雲に覆われていたチェルヴィニーノが、最後にほんの少しだけ微笑んでくれた気がします。

プラン・メゾンからビアンケ峠越え

この彷徨っている間、コロコロとしたマーモットや小鳥達が次々と挨拶してくれました。またすぐ近くには氷河水を貯めたダムがあり、綺麗な青緑色が印象的でした。

そして無事TMRに合流、そのままスキー場のコースを登っていくとゴンドラ駅に到着。ここで一息入れ、峠越えに入ります。その矢先に小雨が降り始めたので雨具を装着。ルートは一部の区間で工事中でしたが、TMRの標識があり、迷うことはありません。峠に着いた時には雨も上がり、視界もやや回復。これまで氷河によって削られた砂、礫、岩石等が堆積した一面灰色の大地(モレーン)でしたが、峠の先には氷河と緑の草原が拡がっていました。

絶景の湖・グランラゴで昼食を

ビアンケ峠からグランラゴ

峠を越えて進んでいくと、天気も徐々に持ち直し、晴れ間が見え始めました。スキー場のコースを横切り、緩やかな下り坂を進んでいくと、大きな湖が崖の下に見えてきました。グランラゴ(Gran Lago)です。氷河水が溜まった綺麗な青緑色の湖で、対岸は崖、上部には氷河という絶景。足元も崖なので慎重に進んでいくと、その先は湖まで一気の下り。ジグザグ道を降りていきます。

湖を見渡せる平坦な場所があったので、この特等席で昼食です。本当に気持ちの良い場所でした。

緑豊かなイタリア・アルプスを満喫

グランラゴ(Gran Lago)からAlpe Mase

昼食を終え、天気も完全に回復。晴れ間が差す中、どんどん下ります。トラバースから平地、急な下り、緩やかな下り、急な下り、これを繰り返しながら進みます。川も同じように急流から蛇行まで次々と姿を変えていきます。この変化も面白いですね。

この辺りにはマーモットが多数生息しているようです。あちこちから、「ピー」という鳴き声が聞こえます。また多種多様な花々が見られるようになり、コース自体もだいぶ険しさが薄れ、軽装のハイカーを見かけるようになりました。

Alpe Maseからセントジャックス

牧草地の中にぽつんと建つ小屋、Alpe Mase。今でも牛飼いが避難小屋として使っているようです。この周囲には多くの牛やヤギ、馬などが放牧されています。案の定、しっかりとコースを塞いでくれました。小屋も牛が占拠している様子。。

見晴らしの良い道をどんどん下っていくと、林道に入ります。ようやく森林限界まで降りてきました。穏やかな川を発見、早速足を浸けてみます。当然ですが、非常に冷たく、氷河水であることを実感。でも疲れた足には気持ちいい。

川沿いを下っていくと、セントジャックス(st. Jacques)の町外れにでます。ここからは道路に沿って下っていきます。

セントジャックスからシャンポルク

途中から川沿いのハイキングコースに入ります。この辺りはもう町の中、ランニングや散歩を楽しむ人達が大勢います。そして今日の宿があるシャンポルク(Shampolc)の町に到着。小規模ながらアヤス谷の観光地であるこの町には、美味しそうなお惣菜があるお肉屋さんをはじめレストランやホテルが充実、素敵な町でした。宿泊先のオーナーも親切で、次はのんびりと訪れてみたいです。

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