【TV概要】仏アルプス/ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ概要編

ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ

仏アルプス・ヴァノワーズ国立公園内を周遊するロングトレイル、ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ。手付かずの大自然が残り、氷河や美しい山並みを望みながら、約160kmを山小屋等を利用して10日間で踏破します。季節外れの積雪に見舞われながらも、高原の牛達が作る特上のチーズや山小屋でのサプライズ・ライブなどトレイル以外の楽しみも満喫した旅です。

ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ

ヴァノワーズ国立公園

今回のロングトレイルは、仏アルプス・ヴァノワーズ国立公園(Parc National de la Vanoise)が舞台。1963年アイベックス保護を目的に同国初の国立公園として設立されたヴァノワーズ国立公園は、ヨーロッパ・アルプス最高峰モン・ブラン山脈の南側(仏南西部サヴォワ県)に位置し、氷河を有する標高3,000m超の山々(100座以上)に囲まれた高山地帯にあります。

国立公園内は自然保護区域として動植物や景観の厳格な保護・管理が行われており、手付かずの大自然が残っています。仏国内では人気の観光地として知られ、夏場の休暇シーズンには多くのハイカーで賑わう一方、国立公園の周辺(自然保護区域外)では、ウインター・スポーツの高級リゾート地が点在し、自然との共生が図られています。

ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ

ヴァノワーズ国立公園内には、標識のあるトレイルが約400kmに亘って整備されており、宿泊用の山小屋も点在しています。このトレイルを繋いで周遊ルートとしたのが、今回チャレンジするツール・ド・ラ・ヴァノワーズ(Tour de la Vanoise)。標準コースは、後述のガイドブックによれば全行程11日間、総距離163km、累積標高差8,200mです。

今回のトレイルでは、ツール・ド・モンブランのように決められた周遊ルートがないため、上記標準コースをベースに、ガイドブックに記載されていた代替ルートも勘案してルートを設計。出発地点は国立公園南側の麓町モダーヌ(Modane)とし、反時計回りに進んで再びモダーヌへと戻ってくるコースとしました。

おすすめのグッズ

ガイドブック

ツール・ド・ラ・ヴァノワーズを紹介しているガイドブックは以下の本(英語)です。このシリーズはこれまで踏破したロングトレイルでも毎回利用しており、ルート検討に必要な情報が網羅されています。今回もこの本をベースとしつつ、腕時計のナビゲーション機能をフル活用してチャレンジしました。

腕時計

ロングトレイルでは必需品と言える腕時計。以前は道に迷うと地図を見てルートを確認していましたが、近年はスマートウォッチの性能が向上し、GPSナビゲーション機能を利用して簡単にルート確認が行えるようになりました。今回使用したのはスント(SUNNTO)社のもので、ルートの分かり難い箇所でも安心して進むことが出来ました。

テントグッズ

今回のロングトレイルでは、宿泊の大部分をキャンプ泊としました。詳細は後述しますが、今回新調したのは、軽量で強度のある以下テントで、設営も簡単でした。また、快適な睡眠が取れるよう、寝袋やマットも軽量で機能性の高いものを購入しました。

コース日程

今回実際に踏破したコース日程は全10日間、総距離は157km(図表1参照)です。上述の通り、スタート・ゴール地点はモダーヌとし、国立公園内を周遊するルートの完全踏破にチャレンジしました。

宿泊先については、麓町に降りた6日目、8日目を除き、全てキャンプ泊としました。国立公園内ではキャンプ泊は禁止されていますが、多くの山小屋が小屋周辺でキャンプ地を提供しており、そこでは食事やシャワーなど山小屋の施設も利用できます。今回はトレイル開始前に全て予約しておきました。それでは今回のトレイル概要について、ハイライトをご紹介します。

図表1:行程表

日数行程距離上り下り時間
1日目Modane – Ref. de l’Orgere6.5km875m0m2 h 20 min
2日目Orgere – Ref. du Plan Sec12.4km890m540m5 h 20 min
3日目Plan Sec – Ref. de l’Arpont15.3km789m798m7 h 15 min
4日目Arpont – Ref. Entre Deux Eaux11.7km627m826m5 h 10 min
5日目Entre Deux Eaux – Ref. du Vallonbrun22.9km1,162m1,034m7 h 10 min
6日目Vallonbrun – Bonneval-sur-Arc16.7km202m692m4 h 20 min
7日目Bonneval-sur-Arc – Ref. de la Femma19.0km1,642m1,110m7 h 50 min
8日目Femma – Pralognan-la-Vanoise23.5km578m1,519m7 h 10 min
9日目Pralognan-la-Vanoise – Orgere22.7km1,518m751m8 h 15 min
10日目Orgere – Modane6.5km10m886m1 h 50 min
合計157.2km8,293m8,156m56 h 40 min

ロングトレイルのハイライト

 序盤

トレイルはモダーヌの鉄道駅前からスタートします(標高1,050m)。川沿いに進んで市街地から山道に入ると、ルートは本格的な上り坂へ。ここから国立公園の入口近くに立つ山小屋オルジェレ(Ref. de l’Orgere、標高1,935m)まで約2時間、一気に登ります。

山小屋オルジェレから林を抜けると、山腹をトラバースする見晴らしの良いルートが続きます。緩やかな登りで最初の峠バルビエ峠(Col du Barbier、標高2,295m)を越えると、眼下にはアモント湖(Plan d’Amont)が拡がります。ここから国立公園内に入り、湖対岸の中腹に立つ山小屋プラン・セック(Ref. du Plan Sec、標高2,316m)へと進みます。

序盤最後は視界の開けた気持ちの良いコースで、上り下りを繰り返しながらトゥーラ分岐点(La Turra、標高2,363m)、ロザ分岐点(La Loza、標高2,360m)を越えて、山小屋アルポント(Ref. de l’Arpont、標高2,309m)へと進みます。周囲の景色も、徐々に荒々しさが増してきます。

中盤

山小屋アルポントを後にして、しばらく登っていくと視界の開けた高台に出ます。ここからは絶景とアドベンチャーの連続。遠くにそびえる美しいアルプスの山々を見ながら進んで行くと、アイベックスの群れに遭遇。続いて、橋のない川を浅瀬を選んで慎重に横断。そして前方には間近に迫る氷河。綺麗な湖の畔を通り、山小屋アントル・デュー・オー(Ref. Entre Deux Eaux、標高2,120m)へ進みます。

夜半に季節外れの雪が降り、周辺の山々は一夜にして雪化粧。中盤最後の日はこれまでで最長の一日。まず谷越えをして登り返し、山小屋(Ref. du Plan du Lac、標高2,364m)のある湖畔沿い(Plan du Lac)を抜けて、ベルコンブ分岐点(Bellecombe、標高2,307m)に進みます。続いて、美しいアルプスの山塊を眺めながら緩やかな上り坂の農道を進み、林を抜けて再び見晴らしの良いトラバースコースを進んで行くと山小屋ヴァロンブラン(Ref. du Vallonbrun、標高2,272m)に到着。

突然の山小屋コンサートを満喫した翌日は、麓町まで500m程を一気に下ります。川沿いの平坦な道を進んで行くと、古い町並みが残る人気の観光地ボヌヴァル・シュル・アルク(Bonneval-sur-Arc、標高1,810m)です。途中、紀元前4千年頃の壁画が残る岩山ロシェ・デュ・シャトー(Rocher du Chateau)があります。

終盤

終盤初日は最もチャレンジングなルート。麓町を出発後、700mほど登り道路と交差する分岐点(Pont de la Neige、標高2,528m)まで進み、ここから氷河地形の荒涼としたルートに入り最初の峠、フール峠(Col de Fours、標高2,976m)を越えます。400m程下り、再び登り返してロシュール峠(Col de la Rocheure、標高2,911m)を越え、山小屋フェマ(Ref. de la Femma、標高2,352m)へと下ります。

山小屋フェマからは、緩やかな下り坂で中盤初日に訪れた山小屋アントル・デュー・オー(標高2,120m)へと進みます。この分岐点から登りが始まり、氷河と湖の見える峠の山小屋ヴァノワーズ(Ref. du Col de la Vanoise、標高2,516m)を越えます。ここから長い下りが続き、途中池の中を渡るなどして麓町プラローニャン・ラ・ヴァノワーズ(Pralognan-la-Vanoise、標高1,420m)へと下ります。

実質最終日となる9日目は、最後の峠となるシャヴィエール峠(Col de Chaviere、標高2,796m)を目指して延々と登ります。途中、山中にあるチーズ生産者のお店で地元チーズも購入(この辺りはボーフォール・チーズの産地)。峠を越えると、初日の宿泊地である山小屋オルジェレ(標高1,935m)に下ります。そこで再度一泊し、翌日モダーヌの町へと下れば、完全踏破達成です。

宿泊事情:山小屋・キャンプ泊

国立公園内にはハイキングルート沿いに山小屋が点在しています。山小屋での宿泊は、大半がドミトリー型のみで、個室型はほとんどありません。サービスは、夜・朝の食事をはじめ、温水シャワーも完備されており、食堂などでは電子機器の充電も可能。予約はネットで完結出来ました。

また上述の通り、山小屋の中には、小屋周辺でのテント泊を提供しているところもあります。この場合、持参したテントを小屋周辺に張り、食事やトイレ、シャワーなどは山小屋を利用するのが便利です。テント場は基本的に指定されたエリア内であればどこでもよく、先に来た人から順に場所を確保していく方式です。尚、場所によっては夕方頃までテントを張るのが禁止されているところもあります。

アルプスの動植物

動物編

アルプスの山中では、多くの野生動物に出会えます。アルペン・マーモット、シャモア、アイベックスなどが代表例です。羊の大群に道を阻まれることもあるのでご注意を。

植物編

高山の美しい花々を楽しむことが出来るのもアルプスの魅力です。夏場は特に様々な花が咲き誇るので、写真撮影に励んでしまうと、計画通りのペースで進まないこともあるので、こちらもご注意を。

概要編はここまで。次回は各日程編をお届けしたいと思います。

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