スイス国内を東から西へと横断する総距離390kmのロングトレイル、スイス・ヴィアアルピナ1(別名:クロッシングスイス、 Crossing Switzerland)。スイス隣国リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを出発し、スイス国内の風光明媚な絶景を満喫しつつ、全20ステージ・14の峠を越えて(累積標高差23,600m)、レマン湖畔の町モントルーを目指します。今回は11日目(グリンデルワルト~ラウターブルーネン)編です(概要編はこちら)。
グリンデルワルト出発
グリンデルワルト市内
本日の行程は、グリンデルワルトを出発しクライネシャイデックまで一気に登り、その後はウェンゲンを経由してラウターブルーネンへと下る総距離19km(登り1,100m、下り1,330m)、所要時間6時間のコース。
今朝は6時半出発。山岳リゾートとして有名なグリンデルワルト(Grindelwald、標高1,030m)では、町中からもアイガーやヴェッターホルンが良く見えます。ホテルも綺麗なお花で一面飾られており、朝から思わず撮影タイム。市内散策を楽しみながら進んで行くと、これから登る峠、クライネシャイデックが見えてきました。
グリンデルワルト鉄道駅の前には、日本語案内所があります。朝一なのでまだ営業前でしたが、日本語で書かれた看板を見ると、つい立ち寄りたくなります。鉄道駅を通り過ぎ、郊外へと進んで行きます。
グリンデルワルト グランド鉄道駅
グリンデルワルトからは、しばらく下りが続きます。ルートはまだアスファルトの道路ですが、前方にはクライネシャイデック、そして名峰アイガーが綺麗に見えます。これから前方の坂道を登っていきます。
20分程でグリンデルワルト・グルント駅(Grindelwald Grund、標高943m)に到着。ここからクライネシャイデックへと続く鉄道が出ているほか、近年開業したアイガーエクスプレスと言う一気にアイガー北壁まで快速で登れるゴンドラ駅もあります。今回は勿論徒歩、標高差1,000m強を一気に登ります。
朝食休憩
アスファルト舗装路を登っていくと、周囲は徐々に牧草地へ。振り返ると、出発したグリンデルワルトの町並みが拡がり、その先には昨日越えてきたグローシェ・シャイデックまで一望出来ます。そして向かう方向にはアイガー北壁。登り続けていると、地割れのような響き渡る音がしました。アイガー近くにへばり付く氷河の崩れる音です。驚きと共に歩みを止めて見入ってしまいます。
黄色と緑の車体が特徴的な登山鉄道が登ってきました。鉄道駅ブランデッグ(Brandegg、標高1,332m)に到着。併設されたレストランの軒先を借りて、アイガー北壁を眺めながらの朝食タイムとします。
クライネシャイデック
アルピグレン
ルートは線路沿いの砂利道を進みます。車も通れる道幅があり、マウンテンバイクや電動バイクで登っていく人も見かけます。ブランデッグ駅から30分程登ると、鉄道駅アルピグレン(Alpiglen、標高1,614m)に到着。併設レストランの脇を抜けて更に先へと進みます。
アルヴェンガルテン
ルートは引き続き砂利道。アイガー北壁から流れ出る小川を渡り先へと進んで行くと、前方上空にはアイガーエクスプレスのゴンドラが見えてきました。ゴンドラは流石に早い。一方で、変わりゆくアイガー北壁の姿や周囲に咲く高山植物などをのんびり眺めながらのトレイルは、ゴンドラの移動とは一味違う楽しみがあります。
さらに登って農家小屋を通り過ぎると、道端にチーズの無人販売所を発見。冷蔵庫を開けると中には真空パック詰めされたチーズ。アルプスでは見慣れた販売システムです。これを過ぎると、アルヴェンガルテン(Arvengarten、標高1,851m)です。
クライネシャイデック
ここまで来るとアイガー北壁が間近に迫ってきます。またその横に鎮座するメンヒ、ユングフラウ・ヨッホのオーバーランド三山も見えます。この三山揃い踏みの光景は迫力満点、ロングトレイル中盤のハイライトに来た感覚です。
撮影を十分楽しんだ後、再び砂利道を進んで行くと前方に大きなホテル群が見えてきました。ついにクライネシャイデック(Kleine Scheidegg、標高2,061m)に到着。ユングフラウ・ヨッホ展望台へと続く登山鉄道の中継駅であり、これまで何度も訪れた場所です。ここにはスタンプもあるので、忘れずにゲット。
オーバーランド三山
スイスを代表するオーバーランド三山。クライネシャイデックからの景色はいつ見ても圧倒的な迫力です。以前この三山の周りを周遊するロングトレイルを踏破しているので、以下ご参考まで。
(ご参考)【TJR概要編】ツール・ド・ユングフラウ / Tour of Jungfrau Region-ロングトレイル
ウェンゲン
ウェンゲンアルプ
小休止を経てトレイル再開、まずはウェンゲンを目指して下ります。クライネシャイデックの峠を越えると、天気は曇りがちへ。進行方向左手のメンヒ、ユングフラウ・ヨッホにもやや雲がかかり、青空の下での写真撮影は次回にお預け。砂利道をどんどん下って行くと、谷を隔ててミューレンの村が見えてきました。明日はあの村を通り抜けます。ここでウェンゲンアルプ(Wengernalp、標高1,874m)に到着。
アルメンド
天気はその後雨模様へ。雨具に着替えて、冬場にはスキー・コースとなる砂利道を下って行きます。晴れていれば絶景が眼下に拡がるコースですが、生憎の天気に残念。林の中へと続く砂利道を進んで行くと、鉄道駅アルメンド(Allmend、標高1,500m)に到着。ウェンゲンの町も見えています。
ウェンゲン
アルメンドから30分程進むと、鉄道駅ウェンゲン(Wengen、標高1,278m)に到着。ここにはホテルや小売店などが充実しているので、のんびり休憩したい所ですが、雨模様なので先へと急ぎます。ここから下った先が今日のゴール、ラウターブルーネンの村です。
ラウターブルーネン
ウェンゲンからの下り
ウェンゲンからラウターブルーネンへの道はよく整備された砂利道が続きます。時折木々の合間から眼下が見え、そこには切り立つ崖を背後に持つラウターブルーネンの町が拡がっています。崖の上からは滝も流れ落ちていますが、今日は雨と霧で今一つはっきりと見えず。30分程下るとラウターブルーネン(Lauterbrunnen、標高790m)に到着。
ラウターブルーネン
村へと続く道路には、現在行われているトレイルランニング、クロッシングスイスの案内が。この近くに補給所があるようです。村の中心部へと進んでいくと、本日の宿に到着。
スタンプゲット
その途中、勿論大事なスタンプをゲット。ラウターブルーネンはやはり滝のデザインでした。明日の天候回復を祈りつつ、宿でゆっくりと休憩。今回はここまで。
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