【ワイン】シャブリ ~ 産地探訪:辛口白ワインの魅力に迫る

フランス

シャブリ(Chablis)、数多ある白ワインの中でも、キリッとした鋭くキレのある味わいと豊富なミネラル感を特徴に世界的な人気を博すワイン、今回はその産地を訪ね、真の魅力に迫りたいと思います。

シャブリワインとは

シャブリ地区は、フランス・ブルゴーニュ地方北部に位置し、冷涼な気候とミネラル分豊富な石灰質土壌が特徴。これがブルゴーニュ原産のシャルドネ種に最適な栽培環境をもたらし、シャブリ特有のキレのある味わいとミネラル感を生み出しています。

またワイン畑毎に等級が定められており、上位から順にシャブリ・グラン・クリュ(Chablis Grand Cru)、シャブリ・プルミエ・クリュ(Chablis Premier Cru)、シャブリ(Chablis)、プティ・シャブリ(Petit Chablis)の4等級が存在します。さて次は実際に畑へ行ってみます。

(ワイン等級と生産量)

等級 グラン・クリュ プルミエ・クリュ シャブリ プティ・シャブリ
生産シェア(%) 1% 15% 66% 18%

(出所:ブルゴーニュワイン委員会)

【シャブリ地区地図】シャブリ観光局

グラン・クリュの畑から

シャブリの土壌は、キンメリジャン(Kimmeridgean)と呼ばれる、約1億5千万年前のジュラ紀後期に遡る地層からなり、石灰質で小さな牡蠣や貝などの化石を多く含んでいる点が特徴。実際に歩いてみると一目瞭然。

グラン・クリュの畑は、シャブリの町北東の標高100-250mに位置し、7つのクリマ(栽培区画)に分かれています。生産面積は約100ha(東京ドーム約21個分)、年間平均生産量は3,824hl(約51万本)です(2013-17年平均)。

シャブリの町からはクリマを歩くハイキングコースが整備されており、クリマ毎に標識があるため、今何処を歩いているか確認できます。日当たり抜群の場所で、斜面にあり水捌けも良いことが分かります。夏場にかけてグングンと成長していくことでしょう。

収穫期を終えた秋に訪れてみると、黄金色に輝くその景色は、絶景でした。

生産者を訪ねて

折角の産地探訪、生産者の所へ直接伺って見たいと思い、アポイントを打診したところ、休日にも関わらず、受け入れて頂きました。

今回訪れたドメーヌ セギノ ボルデ(Domaine Seguinot-Bordet)さんは、1590年から続く家族経営のドメーヌで、シャブリの中でも最も古い歴史を持つファミリーとして有名。スラン川右岸の南・南東部斜面に栽培条件の良い16ヘクタールの畑を所有、ここで収穫した葡萄を、近年新たに導入した自社醸造設備で貯蔵・熟成、出荷時のボトル詰めまで行っています。

先祖代々から受け継がれた畑や生産・製造方法を守りつつ、一方で最新設備を導入しあくなき品質向上に取り組む、そしてより良いワインを後の世代まで繋ぎ・提供していく。直接生産者の方にお会いすることで、ワインに込められたその思いを強く肌で感じることが出来ました。有難うございました。

ドメーヌ セギノ ボルデ(Domaine Seguinot-Bordet)HP

テースティングを楽しむ

最後は、産地ならではのテースティング。シャブリの中でも、これまで飲む機会に恵まれていたウイリアム・フェーブルへ。ここはシャブリの数あるドメーヌの中でも最大手、グラン・クリュの畑も15.2ヘクタール所有(全体では78ヘクタールを所有)しています。

テースティングは、まずシャブリから始まり、その後等級の高いワインへ。プルミエ・クリュでも異なるクリマで作られたワインを味わうと、素人でもその違いが分かります!更に、実際に歩いてきたクリマのグラン・クリュは格別。「あそこの畑か!」、「これはあの斜面のところか!」と。深い味わいだけでなく、実際の畑と結びつくことで、より一層楽しめます。

ウィリアム・フェーブル(William Fevre)HP

まとめ

実際に産地へ赴き、生産されている畑を歩き、生産者を訪ね、テースティングを行うと、シャブリワインに対する知識・愛着感は一段と深いものとなりました。シャブリワインの真の魅力、それは世界的にみても類希な生産条件と何世代にも亘って築き上げてきた生産者達の生産・製造技術、強い思いからくるものではないでしょうか。

ワイン自体を味わうことは勿論ですが、今回の一連の旅を通じて、それだけではない繋がりが出来たことで、今後もこのシャブリワインを楽しんでいきたいと思います。皆さんも機会があれば、ぜひ訪れてみてください!

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