ヨーロッパ・アルプスを代表する二つの名峰モンブランとマッターホルン、この麓町(フランス・シャモニー、スイス・ツェルマット)を繋ぐ約180kmのロングトレイル、オート・ルート(Haute Route)。HR7日目は、アローラからラ・サージュまでの10km(登り365m、下り853m)、約5時間の行程です。今日の見所は美しい青の湖です。
アローラのキャンプ場出発
本日の行程は宿泊地の関係から約10kmといつもより短く設定せざるを得ず、今朝は休息を兼ねてのんびりと起床。テントを畳み、身支度を整えて早速キャンプ場(標高1,950m)を出発。最初の目的地は、絶景で知られる青の湖(Lac Blau)です。
キャンプ場からしばらく歩道を進んだ後、本来のルートは山道へ入りますが、この時は通行止めで迂回を余儀なくされ、再び道路を進みます。それでも後ろを振り返れば、モン・コロン(標高3,637m)の美しい山容が望めます。時間は十分あるので、周囲の景色を楽しみます。
先へ進むと、本来のルートに合流出来ました。気持ちよく山道を進んでいくと、行く手には朽ちかけた橋が登場。橋の下には、氷河の雪解け水が勢いよく流れています。慎重に足を進めてみると、見た目以上に安定しているようです。祈りながら渡ると、意外に堅固な作りで無事に通過。開けた草地に出ると、そこからはモン・コロンが再び望めます。
青の湖
緩やかな草地の坂を登ると、その先には美しい湖が現れました。青の湖(標高2,090m)に到着です。湖の透明度が非常に高く、中心部まで透き通って見えます。湖畔を歩くことが出来るので、お気に入りの場所を探して、朝食タイムとします。
まだ誰も来ていないので、この絶景を独占!見晴らしの良い湖畔の岩の上に陣取ります。朝食は昨晩キャンプ場で茹でたパスタにトマトソースをかけて出来上がり。これが想像以上に美味しく大満足。最後は食後のコーヒーを沸かして、贅沢な一時を堪能します。
朝食のあとは撮影タイム。撮影場所を次から次へと変えて、お気に入りのスポットを探します。氷河を抱くモン・コロンが背景に入ると、撮影は一段と熱を帯びます。ここだけで何枚撮ったか分かりませんが、確かにこの景色はこれまで見た湖の中でもトップクラスの絶景でした。
ラ・グイユ
カフェとペンション
名残惜しくはあるものの、青の湖を後にして先へ進みます。湖から少し下ると、スイスの旗で可愛らしく飾られたカフェに到着。牧歌的でとても雰囲気の良い場所です。さらに谷へ向かって下ると、宿泊も出来るペンションと大きな駐車場が見えました。ここがラ・グイユ(La Gouille、標高1,844m)です。
青の湖へ行くには、ここが最寄りの駐車場です。散々撮影に没頭した後なので、あの湖を目的に多くの観光客が訪れるのも納得できます。いつかまた訪れたい、そんな気持ちにさせてくれる美しい湖でした。
離れの集落
カフェから少し先へ登っていくと、小高い丘の上にある集落に到着。歴史を感じる伝統的な木造家屋が数軒立ち並んでいます。家の庭先は花で飾られ、蛇のオブジェなどもあります。以前は蛇の口から水が流れ出ていたようです。
そのすぐ脇には水場があったので、アルプスの天然水をふんだんに補給。天気も良く、気持ちの良い小休止となりました。今朝からアローラ谷を大分下ってきましたが、今日のゴールはもう少し先。引き続き、谷沿いを下っていきます。
レゾデール村
集落を後にして、気持ちの良いなだらかな山道を下っていきます。山道を30分ほど進んでいくと、今日の宿泊地があるレゾテール村(Les Hauderes、標高1,452m)が見えてきました。レゾテール村にはキャンプ場があるので、今日もキャンプ泊です。
キャンプ場はレゾテール村中心部から少し離れたところにあります。途中の小売店では、食料をしっかりと買い込みます。今日はまだ日が高く時間もたっぷりあるので、少し贅沢に豚ステーキと地元産の赤ワインを購入。なお、オリーブオイルを買ったつもりが、隣のビネガーを買うといったハプニングも発生。
そして14時頃に無事キャンプ場へ到着。車で来ている人も結構います。早速テントを張り、シャワーを浴び、洗濯を終えたら、お待ちかねの宴会タイム。芝の上で盛大に始めます。夕方ごろに天気が崩れてきましたが、洗濯物も既に乾き調理も終えていたので、テントの中でこれまでの旅を思い出しながら赤ワインでリラックス。素敵な休息日となりました。本日はここまで。
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