【TJR7日目】ツール・ド・ユングフラウ~ロングトレイル

ツール・ド・ユングフラウ
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ヨーロッパアルプスの名峰ユングフラウ、メンヒ、アイガーを擁するスイス・ユングフラウ地方を10日前後で一周する約120kmのロングトレイル、ツール・ド・ユングフラウ(Tour of Jungfrau Region)。TJR7日目はシュテッヘルベルグからチンゲルホルンへと続く16km(上り1,014m、下り564m)、7時間の行程です。見所はブライトホルン一帯の氷河地形(モレーンやカール等)です。

トラクセラウエネンへ

シュテッヘルベルグ出発

本トレイルも今日からいよいよ終盤戦、ルートもこれまで以上に手付かずの大自然へと分け入ります。部屋で軽い朝食を取り、薄明りとなった頃に早速出発。今日はブルーネン谷の最深部にあるブライトホルン、チンゲルホルンを目指します。

トラクセラウエネンへ

シュテッヘルベルグ(標高910m)の村から、緩やかな登りの林道を進んでいきます。コース脇には、これまであまり見かけなかったオータムクロッカスの花がありました。まだ日が当たっておらず大半の花は閉じていますが、日中には綺麗に咲きそうです。

ルートはブルーネン谷を流れるヴァイセ・リュッチーネ(Weisse Lütschine)川沿いを進みますが、分岐点が幾つかあります。いつもは標識が無くてもGPS機器を頼りにルートを即決しますが、今朝は機器の調子が悪く、その都度地図で確認して進みます。ペースは上がりませんが、こういう時こそ急がば回れです。

リュッチーネ川を渡り、砂利道の林道を進んでいくと、小さな滝が幾つも出現します。周囲の山々から谷へと水が流れ込んで来ているようです。更に先へ進んでいくと、大自然の雄大な景色が見えてきました。ブルーネン谷の最深部へ入ってきたようです。

トラクセラウエネンの集落

トラクセラウエネン(Trachsellauenen、標高1,202m)の集落に到着です。ここには建物が幾つか建ち並び、山小屋(Berggasthaus Trachsellauenen)もあります。ちょうど宿泊者が朝食中のようでした。入口脇には牛乳の値段表があります。この付近では牛の放牧が盛んなようです。

この集落はかつてラウター・ブルーネン谷における鉱業の中心地でした。1465年に採掘開始して以降1860年に閉山するまでの約400年間に亘って、鉛や銀、バライトなどを産出し続けました。現在はその一部が遺構として残っているようです。

ここからはブライトホルンの山容が良く見えます。道脇の納屋には登攀ルートを記した図があり、実物と見比べることが出来ます。どのルートであっても険しそうです。ここで一息入れた後、次はあの眼前へと進んでいきます。

シュマドリ小屋分岐点へ

シュバンドへ

集落を過ぎた後、ルートは林の中へ入ります。川を渡り暫く登ると、見晴らしの良い斜面に出ます。ここからシュバンド(Schwand)までは急登が続きます。進行方向左手には、今朝出発したシュテッヘルベルグなどラウター・ブルーネン谷が拡がります。朝日が大分あたり始めてきました。

進行方向右前方には、ブライトホルンが見えます。ここには氷河を源流とする大小無数の滝が幾つもあり、氷河によって作られた急斜面を豪快に流れ落ちていきます。迫力満点の雄大な滝も多く、ここでは滝の撮影につい夢中になっていました。

そしてシュバンド(標高1,648m)に到着です。ここには農家の方が暮らす小屋があります。ちょうど、その農家の方が毛並みの良い豚や鶏の世話をしているところでした。朝の挨拶をして、先へと進みます。

シュマドリ小屋分岐点へ

シュバンドから先は、ブライトホルンやチンゲルホルンの氷河によって作られた大きなカール(圏谷)に沿ってぐるりと回るルートです。森林限界を超えたので見晴らしも良く、斜面をトラバースしながら岩場を登っていきます。途中には、一段と豪快な滝が幾つも登場します。

標高が高く氷河も近いせいか、この辺りにはひんやりとした気持ちの良い空気が満ちており、清々しい気分で絶景を満喫できます。振り返ると、ブルーネン谷の底まで太陽の光が降り注いており、崖の上にあるミューレン(Murren)の町が輝いて見えました。明後日、ミューレンの町へ訪れるのが楽しみです。

シュマドリ小屋(標高2,262m)への分岐点が本日の最高地点です。分岐点から小屋までは20分程度ですが、今回は立ち寄らずにこの先にあるオーバーホルン湖(Oberhornsee)の方へ進みます。分岐点の辺りからはブライトホルンやチンゲルホルンが綺麗に見え、写真撮影の時間も一気に増えました。

オーバーホルン湖へ

ブライトホルン・チンゲルホルン絶景ポイント

分岐点からオーバーホルン湖に向かう区間は絶景ポイントの連続です。ルートはブライトホルン、チンゲルホルンの真下へと進み、氷河も眼前に迫ってきます。天気も良いので、少し進んでは撮影、また進んでは撮影、を繰り返していました。

ルートは氷河水が流れる川沿いも通ります。氷河水はかなり白濁しており、水量も結構あります。ここからは、氷河地形特有のホルン(氷食尖峰)やモレーン(土手のような堆積)、カール(圏谷)などを全て楽しむことが出来ます。本当に圧巻の絶景でした。

なお、川の右手上流部には、放牧されたヤギの群れが休憩していました。シュバンドの農家が放牧しているのでしょうか。この氷河水を飲みに川沿いまで来ていたようです。こうした場所で放牧されたヤギの乳製品、どんな味か味わってみたいものです。

オーバーホルン湖へ

またこの辺り一帯には、ピンク、紫、黄色など色とりどりの花々が綺麗に咲き誇っています。蜜を求めて飛び回る蜂も多く、厳しい環境の中でも、こうした楽園があるとのどかな気分になります。

オーバーホルン湖が近づいてくると、そこから流れ出る支流の一つと思われる小川沿いを進みます。この小川は先程の白濁した氷河水の川と異なり、水がとても澄んでいます。氷河水が一度地下で濾過され、湧き水として出てきたのかもしれません。

湖まであと一歩のところまで来ると、最後は可愛らしい小鳥が道案内をしてくれました。そしてランチ場所としていたオーバーホルン湖(標高2,065m)に到着です。

オーバーホルン湖でランチ休憩

オーバーホルン湖はカールの最奥にある氷河湖です。水量が少ないせいか、事前に調べていたよりもかなり小さく感じましたが、それでも周囲の山々と湖が見事な絶景を作り出しています。時間もお昼を回った頃なので、ここでランチ休憩とします。

この辺りには湿地のような地形が広がっており、放牧された牛が草を食んでいます。高山の花々が咲き、また風も穏やかだったので、氷河を眺めながらお昼寝をしてしまいました。とても気持ち良い場所でした。

宿泊地ツィンゲルホルン小屋へ

オーバーシュタインベルグ小屋へ

ゆっくりランチ休憩を取ったので、午後の部をスタートします。ここはブルーネン谷のカール最奥部にあたり、先程歩いて来た斜面とは反対側の斜面をトラバースしながら進みます。ルート沿いにはピンク色の花が沿き誇り、途中には大小多くの滝が現れます。

水量のある氷河水の川は迫力満点です。橋の土台は堅固なコンクリートで固められていますが、上にかけられた木造の橋は簡易な作りです。濁流が発生した際にはすぐに流されそうですが、復旧も行い易いように見受けられます。

橋を越えてしばらく進むと、雄大な滝が見えてきます。ここも絶好の撮影ポイントです。その先には、オーバーシュタインベルグ(Obersteinberg)の山小屋があります。今日の宿はこの先にある別の山小屋です。明日はここまで一度戻り、ここから峠越えを開始します。

チンゲルホルン小屋

オーバーシュタインベルグの山小屋から20分程進むと、今日の宿泊地であるチンゲルホルン(Tschingelhorn、標高1,678m)小屋に到着です。小屋は古いながらも個室があり、共用シャワー等も完備されています。

夕飯のメインは山小屋の名物であるヤク肉のシチューです。おかわりも出来、存分に頂きました。メインがひと段落した頃に、マスターが持ってきたのはヤギのチーズ。これは今日のトレイル中に見かけたヤギのミルクで作ったもの、だそうです。

以前ヤギの群れがこの山小屋に押し寄せてきて、大切に育てていた庭の花などを食べてしまい、その後ヤギの飼い主がお詫びに持ってきたのがこのチーズ。アルプスの暮らしを感じることが出来た楽しい夜となりました。今日はここまで。

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