【VA1-D2】 Swiss Via Alpina 1/スイス横断のロングトレイル2日目

スイス・ヴィアアルピナ1

スイス国内を東から西へと横断する総距離390kmのロングトレイル、スイス・ヴィアアルピナ1(別名:クロッシングスイス、 Crossing Switzerland)。スイス隣国リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを出発し、スイス国内の風光明媚な絶景を満喫しつつ、全20ステージ・14の峠を越えて(累積標高差23,600m)、レマン湖畔の町モントルーを目指します。今回は2日目(サルガンス~ヴァイスタンネン)編です(概要編はこちら)。

サルガンス出発

サルガンス

今朝は雨模様の中、サルガンス鉄道駅(標高480m)からトレイル開始。ゴール地点はヴァイスタンネン(Weisstannen、標高1,003m)、コースタイムは4時間強です。最初は平坦なルートですが、途中から本格的な登りになります。

早速雨具を着込んで出発します。すると、幸いにもすぐに雨が止み、上空には晴れ間がさしてきました。雨具を脱いで軽装となり、線路沿いの平坦な道路を進んで行きます。見上げると、昨日立ち寄ったサルガンス城が綺麗に望めます。

最初の目的地である隣町のメルス(Mels、標高497m)へ行く途中、出発地点から探していた水場を発見。ここで良く冷えた新鮮なアルプスの天然水を補給します。スイスでは至る所にこうした水場があるので、本当に助かります。

メルス

サルガンスを出発して30分程でメルスに到着。可愛らしい建物が立ち並ぶ中心部の広場を抜けて、花壇で飾られた橋を渡ると、いよいよ本格的な登りがスタート。少し進むと、眼下にはサルガンスの街並が見えてきます。山道を進むかと思いきや、すぐにルートは舗装道路へ戻ります。

フェアモルへの登り

セント・マーチン礼拝堂

舗装された急坂を進んで行くと、水場を発見。その裏手には小さな教会があります。ガイドブックに載っていたセント・マーチン礼拝堂(St.Martin Chapel、標高574m)です。入口には鍵が掛かっていたので、ドアの隙間から内部を覗いていると、背後の家の方から声が聞こえてきました。しばらくすると、優しそうな老婦人が来て入口の鍵を開けてくれました。

礼拝堂の内部には立派な祭壇画のほか、セント・マーチンやマリア様の像、窓には美しいステンドグラスもありました。また、老婦人が祭壇画の裏側にも案内してくれました。最後に、旅の安全をお祈りするとともに、老婦人に感謝を伝え、トレイルを再開します。

フェアモルへの登り

礼拝堂を過ぎるとすぐに登りがきつくなり、ルートは山道に入ります。ストックを装備し、ゆっくりと登っていきます。この辺りはまだ標高が低いので気温が高いうえ、雨上がりなので湿度も高く、汗が大量に流れ落ちます。そんな中でも、ルート脇には野イチゴがなっていたり、涼し気な滝も流れています。

そして礼拝堂から約1時間40分で今日の最高地点となるフェアモル(Vermol、標高1,042m)に到着。ちょうどよい場所にベンチを見つけたので、ここでランチ休憩とします。

ランチ休憩~フェアモル

ランチ休憩のベンチ前からは、スタート地点サルガンスの街並やライン川、その先のリヒテンシュタインまで一望出来ます。高度も500m程上がったので、暑さも少しは和らいできました。

この辺りは集落になっており、伝統的な木造家屋の民家が点在しています。また、かなり急な斜面ですが、草はちゃんと刈り取られ、手入れが行き届いています。なお、ルート沿いには小売店などは見当たらず、補給が出来そうな場所はありません。

シュウェンディ

不思議な木箱

ランチ休憩を終えて、午後の部スタート。次の目的地はシュウェンディ(Schwendi、標高906m)。フェアモルの集落を過ぎると、ルートは山道の下りとなります。足元がぬかるみ、滑り易くなっているので、気を付けて進みます。

ルートは分かり易くマーキングされているので、迷うことはありません。林間コースを進んで行くと、ベンチのある休憩場所を発見。その傍らには、何やら不思議な木箱があります。何かのスタンプでも入っているのでしょうか。折角なので中をのぞくと。。。

なんと、蒸留酒が入っていました!プラスチックのコップもあり、料金を入れる瓶もあります。どの程度ニーズがあるのか不明ですが、面白い取り組みです。一杯飲んでいきたい気持ちを抑えつつ、先へ進みます。

シュウェンディ

休憩場所から少し進むと山道が終わり、開けた場所に出ました。シュウェンディ村の端に到着したようです。急峻な斜面ですが、羊の放牧も行われています。中心部を目指して進んで行くと、民家も徐々に増えてきました。

中心部には立派な水場があるほか、パンや雑貨など幅広い商品を扱う小さな小売店もあります。さて、ここまで来ると、今日のゴール、ヴァイスタンネンまではあと少し。標識によれば、残り約45分です。

ヴァイスタンネン

ヴァイスタンネンへ

シュウェンディを後に少し進むと、町の歴史を記した案内板があります。それによると、ヴァイスタンネンの名が文書に初めて登場するのが1178年。山奥の村ですが、歴史は古いようです。1911年には(乱獲により姿を消した)アイベックスが野生に放たれた、由。別の場所には、このアイベック保護活動に関する案内板もありました。

護岸工事が行われた小川沿いのルートを進んで行くと、ルート脇に美しいピンクの花を発見。マルタゴン・ユリというユリ科の花です。こうしたアルプスの美しい花を鑑賞出来るのも、ロングトレイルの楽しみの一つ。先へ進んで行くと、今日のゴール地点、ヴァイスタンネンに到着です。

ヴァイスタンネン散策

宿に到着したのが16時頃とまだ時間が早かったので、荷物を降ろして軽装になり村内散策へ出発。小売店を求めて歩いていくと、コンテナボックスを利用した無人販売所を発見。乳製品やハム・サラミなどが並んでいます。

散策を続けていくと、魔女博物館なる施設を発見。裏の畑では調合用の野菜・香草等が植えられています。またその脇の自販機には、関連商品が陳列されており、ハイカーが見入っていました。

そして最後にこの日のスタンプをゲット。途中に案内板のあったアイベックスのマークです。今日はここまで。

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