【RS14】世界遺産・ライン川沿いの絶景トレッキング ~14日目~

ラインシュタイク(ライン川高所道)

ドイツ・ヴィースバーデン~ボン間を繋ぐ全長約320kmのロングトレイル、ラインシュタイク 。トレイル14日目は、リンツからバートホンネフまでの約17,9km、コースタイム6時間です。ここからはラインシュタイクの最終ステージ(全4ステージ)、ジーベン山地(ジーベンゲベルゲ)に入ります。

リンツ出発

リンツの町

今回の出発地点はリンツ(Linz am Rhein)鉄道駅。カラフルな古い街並の中を歩いていると、どこからともなくおいしそうな匂いが。匂いにつられて、つい焼き立てパンを購入。おやつタイムが楽しみです。

街中散策を続けていると、花壇に囲まれた「バターを持つ女性」の像を発見。説明によると、17-20世紀(第2次世界大戦頃)にかけて、農家の女性たちが西の森(Westerwald、ライン川右岸の低山地域)からリンツの市場までバターやチーズ、卵などを売りに来ていたようです(20km程歩いた模様)。

中心部から教会の脇を抜けて町外れの小径を登っていくと展望台に出ます。ここからはライン川が良く見えます。天気も良く、絶好のハイキング日和です。

オッケンフェルス城

丘の上に進んでいくと、オッケンフェルス城(Burg Ockenfels)に到着。以前はシュロスホテル(古城ホテル)でしたが、現在は靴メーカーとして有名なBirkenstockのオフィスとして利用されているようです。一般公開されていませんが、ここからは素晴らしい景色が楽しめます。

カスバッハ・オーレンベルク

林の中を抜けていくと、カスバッハ・オーレンベルク(Kasbach Ohlenberg)の町に到着。カスバッハ谷に沿って細長く拡がる町で、急勾配の区間を走るカスバッハタール鉄道が有名。ディーゼル機関の赤い観光列車が人気ですが、イベントでは蒸気機関車も走るようです。

ラインシュタイクのルートは、この鉄道橋の下を通って町へと入ります。その後すぐに山道となり、少し登ると牧草地に出ます。気持ちの良い緑の中を進んでいくと、途中には休憩用のベンチもあります。牧草地が終わると、今度はブナ林の中を進んでいきます。

エルペル

エルペラー・レイ~柱状節理

ブナ林が終わると視界が開けました。ここはミッテルライン地域で最も有名な火山活動の痕跡地、エルペラー・レイ(Erpeler Ley)です。この台地の上から直下のライン川までは急峻な崖になっており、そこには過去の火山活動で噴出した玄武岩の柱状節理が拡がっています。

ローマ時代には既に採石場として使用されていたようです。実際に崖下を覗き込んでみると、柱状節理の断面がはっきり見えます。またここからは、これから進むウンケル(Unkel)の町や対岸の修道院、マリエンフェルス城などを一望出来ます。

レマーゲン橋

この崖下の町エルペル(Erpel)と対岸の町レマーゲン(Remagen)には、かつて両岸を繋いでいたルーデンドルフ橋(レマーゲン橋)の遺構があります。第二次世界大戦末期、ライン川を防衛線としていたドイツ軍は、この橋以外のライン川に架かる橋を破壊(頑強な同橋は爆薬不足で破壊に失敗)。そしてベルリン攻略を目指す連合国軍とそれを迎え撃つドイツ軍がこの橋を巡って激突しました。

激しい攻防戦の結果、連合国軍(アメリカ軍)がこの橋を占拠しライン川の渡河に成功。しかし、その後ドイツ軍の度重なる反撃を受けて橋はついに崩落します。戦争終結後も橋は再建されませんでした。この攻防戦については後日ハリウッドで映画化され、日本でも放映されています。なお、レマーゲン側の橋台部分は現在博物館となっています。

オルスベルグ

エルペラー・レイには広場があり、ピクニック・エリアや飲食店のほか、孔雀や鶏用の鳥小屋もあります。美しい羽を拡げる姿を期待して暫く待ちましたが、残念ながら気分が乗らないご様子。先へと進みます。

畑が拡がる台地の上を進んでいくと、エルペルの高台に位置するオルスベルグの集落に到着。広場に行くと、はちみつの無人販売を発見。お土産として早速購入、これもトレイルの楽しみの一つです。家に帰って食べてみると、とてもおいしいはちみつでした。

バートホンネフ

シュトゥックス

オルスベルグの町外れからルートは再び林の中へ。先へ進んでいくとシュトゥックス(Stux)展望台に到着。ライン川まで見渡せる気持ちの良い場所です。なお、シュトゥックスは地質的にも面白い場所で、約3億2500万年前の堆積岩・スレートを見ることができます。

またこの辺りはブドウ栽培も盛んで、眼下の町ウンケル(Unkel)は赤ワインが有名。ルートはここから一度谷へと下り、ヘーナー川(Hähnerbach)を渡って再び台地の上へと登り返します。

ライベルグ山

ルートはライン川を背にして内陸方面に向かいます。よく整備された牧場の脇を抜け、乗馬で散歩する人達とすれ違いながら今度は林の中を進んでいきます。ルート脇に小さな祠を発見。屋根下の切妻部分には神の摂理「全てを見通す目」が描かれており、「何人も罪から逃れることは出来ない」と。

林道を更に進み山小屋(Barbarahütte)を越えると分岐点に到着。ルート本線から外れますが、ライベルク山へと続く道があるので、山頂(標高359m)目指して暫しの寄り道。分岐点から20分弱で山頂に到着。山頂からはライン川まで一望出来ます。

バートホンネフ分岐点

山頂を後にして、本日の終着点バートホンネフ(Bad Honnef)鉄道駅を目指します。林道を40分弱進んでいくと、ラインシュタイク本線とバートホンネフの町へ向かうルートとの分岐点に到着。本日のトレイルはここで終了、次回はこの分岐点から再出発です。

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