フランス、イタリア、スイスの国境を越えて名峰モンブランの周囲を一周する約180kmのロングトレイル、ツール・ド・モンブラン(TMB)。雄大な山塊・氷河を間近に眺め次々と国境・峠を越えていくこのコースは、ヨーロッパ・アルプスのトレイルの中でも大人気!今回は6日目(ベルトーネ小屋~ラ・フォーリの町)の概要をお届けします。
ベルトーネ小屋からグランド・ジョラスを望む天空の稜線
グランド・ジョラス(Grandes Jorasses)を望む天空の稜線としてTMBコースの中でも特に人気が高いルートがMont De La Saxe。昨晩の天気予報では昼前から天気は荒れ模様。稜線ルートだけに悪天候は絶対回避する必要があります。
悩んだ結果、早朝アタックに決定。5時半、ベルトーネ小屋を出発。幸い曇り空ではあるものの、視界はまだ良好、稜線歩きは時間との戦いとなりました。前日、ここまで進んできたことが奏功、7時頃にはなんとか稜線へ出ました。
上空には厚い雲が漂ってはいるものの、たまに晴れ間もあったりと、天気は何とか持ちこたえている状態。一方で、谷の向こうには待望の光景、氷河を纏ったグランド・ジョラス山塊。間近でみると、その雄大さに圧倒されます。ここは絶対おススメです。
天空の稜線からエレナ小屋へ
さて絶景を堪能した後は、天気も一気に下り坂。稜線歩きの楽しさもほどほどに、一目散に下っていきます。稜線歩きを終えて一安心、その後雨も降り始めてきました。ルートは比較的緩やかでしたので、のんびり進んでいきます。
すると、また出てきました。川の上の雪渓。細心の注意でこれを渡ります。その後は危険な個所もなく、順調に進みます。天気が悪いとやはり景色も今一つ物足りません。さあ、エレナ小屋(Refugio Elena)へ到着。
この小屋で昼食休憩。ここからは今にも流れ落ちてきそうな氷河を楽しめます。天気が良ければ、もっと素晴らしい絶景でしょう。
エレナ小屋からラ・フォーリの町へ
お昼休憩の直後、約500メートルの急登で午後の部がスタート。目指すはフェレット峠(Grand Col Ferret)。徐々に高度を上げていきます。エレナ小屋が大分小さく見えるようになり、峠まであと少しです。
峠に到着。雨は上がりましたが、辺り一面雲に覆われ視界不良。標高2,500メートルの世界は雪景色でした。ここも晴れていたら絶景でしょう。残念ですが、これがロングトレイル。先へ進みます。
ラ・フォーリ(La Fouly)の町までは、ここから約900メートル下っていきます。高度が下がるにつれ、雲も徐々になくなりました。途中、綺麗な山小屋やアルプス特有の美しいシャレ―に目を奪われながら進んでいくと、今日のゴール、ラ・フォーリの町へ到着。長い一日でしたが、朝の絶景は本当に素晴らしかったです。今日はここでおしまい。
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