【TV-D6】仏アルプス/ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ6日目

ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ

仏アルプス・ヴァノワーズ国立公園内を周遊するロングトレイル、ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ。手付かずの大自然が残り、氷河や美しい山並みを望みながら、約160kmを10日間で踏破。季節外れの積雪に見舞われながらも、高原の牛達が作る特上のチーズや山小屋でのサプライズ・ライブなどトレイル以外の楽しみも満喫。今回は6日目編(概要編はこちら)。

山小屋ヴァロンブルン出発

氷点下の朝

本日の行程は山小屋ヴァロンブルン(Refuge du Vallonbrun、標高2,272m)を出発、まず麓町へと一気に下り、その後は比較的平坦な谷間のルートを進んでボヌヴァル・シュル・アルクへと向かう総距離16.7km(登り202m、下り692m)、所要時間4時間20分のショートコース。

昨晩も夜半に気温が氷点下まで下がり、テント泊には厳しい状態。7時前にテントから出ると、空は澄み切った青空。一方でテント前の植物は凍り付いている状態。夏場なのに、朝は氷点下の世界。朝食を食べに、急いで山小屋へ入ります。

朝食を食べていると、昨晩楽しいコンサートを開いてくれたミュージシャン2人組を発見。昨晩持ち合わせが無く渡せなかったチップを渡すと、お礼にということで、彼らのCDを頂きました。旅の良い思い出・記念となりそうです。

山小屋ヴァロンブルン出発

今日はショートコースなので、ゆっくりと支度を整え、9時出発。山小屋のすぐ近くに礼拝堂があり、旅の無事を祈念。するとそのすぐ近くでマーモット親子が朝の挨拶に登場。3匹セットを撮影、しばらく観察した後、トレイルスタート。

ル・クレ

礼拝堂から、ルートは下り区間に入ります。眼下の谷底までは約500m。痛めていた足も大分回復し、下りでもペース良く進めます。途中、ミュージシャン2人組に追いつき、お礼を伝えて別れました。50分程下ると、ル・クレ(Le Collet、標高1,750m)の村に到着。礼拝堂でお祈りした後、先へと進みます。

ベッサン

ベッサン

ここからは平坦な砂利道を進みます。標高が下がったこともあって、気温はどんどん上昇。午後は厳しい暑さになりそうです。次の町ベッサンに向けて谷間を進んで行くとルートは川沿いとなり、前方に橋が見えてきました。ル・クレから約1時間でベッサン(Bessans、標高1,710m)に到着。ベッサンの町は橋向こうにあります。

寄り道:ベッサン散策

ルートは橋を渡らず直進ですが、今日は時間に余裕があるので橋を渡ってベッサン村へと少し寄り道。この村は1944年の第二世界大戦で大部分が破壊されてしまいましたが、その後修復が行われ現在の姿になっています。綺麗な花々で飾られた村の中央部を抜けてさらに進むと、14世紀に建立された古い教会(Chapelle St-Antoine)があります。

この教会の壁面には15世紀に描かれたフレスコ画が現存、また礼拝堂内部には美しい星が描かれたルネサンス様式の天井があります。拝観料を払うと内部の見学が出来ました。芝生の木陰でランチ休憩を取り、午後のトレイルへと戻ります。

ル・ヴィラロン

12時20分、再び橋を渡りルートに復帰。大きくモダンなベンチ脇を抜けて平坦な砂利道をどんどん進みます。氷河を纏った山と、ピンクの夏花。撮影も楽しみつつ谷奥へ向かって20分程進むと、次の村ル・ヴィラロン(Le Villaron、標高1,750m)に到着。

ロシェ・デュ・シャトー

シャトーへと続く道

村を抜けて引き続き平坦な谷間のルートを進みます。すると前方に大きな岩山が出てきました。ルートはその右隅を抜けていきます。最初は普通の岩山、と思いきや、岩がやけに黒い。蛇紋岩です。ガイドブックにも掲載されていたので、興味深く岩山を見ながら進んで行きます。

ロシュ・デュ・シャトー

そして看板を発見。ここがロシュ・デュ・シャトー(Rocher du Chateau、標高1,836m)と呼ばれる場所。黄色の看板に鹿が8頭描かれています。最初は単なる落書きと思いましたが、どうやらこの岩壁に鹿が描かれているようです。描かれた年代は約5千年前。人類がここで生活していた証です。

ボヌヴァル・シュル・アルク

ボヌヴァル・シュル・アルク

太古の昔に思いを馳せつつ、ルートは再び谷間の砂利道を進みます。氷河が削ったこの谷を奥へと進んで行くと、ゴールの村ボヌヴァル・シュル・アルク(Bonneval-sur-Arc、標高1,810m)が見えてきました。石組の家屋が立ち並び、この景観を求めて多くの観光客が訪れています。村内には地元食材を取り扱う店もあり、名産のチーズ屋は大賑わいの状態。久しぶりの人里を楽しみつつ、今日の宿へと向かいます。

宿泊先

今日の宿泊先は村外れにあるアパート。前面はスイスのシャレーを彷彿とさせるゼラニウムの花々で埋め尽くされています。15時、宿へ到着です。久しぶりにテント泊から解放される日なので、ゆっくりとくつろぎます。

そしてお楽しみの買い出しへ。近くにスーパーがあるようなので、夕飯の買い出しへと向かいます。勿論、地元の名産チーズ、ボーフォールとトメをゲット。これにパテ・ド・カンパーニュを合わせて、更にボロネーゼのパスタ。キッチンが使えるので、料理の幅も拡がります。

極めつけは、アパートのオーナーが庭で育てていたサニーレタス。「生野菜、食べる?」と聞かれたので、「ハイ」と答えると、植わっていたレタスをそのままプレゼント。鮮度抜群。地元食材を存分に頂き、大満足の夕飯でした。今回はここまで。

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