【TV-D8】仏アルプス/ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ8日目

ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ

仏アルプス・ヴァノワーズ国立公園内を周遊するロングトレイル、ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ。手付かずの大自然が残り、氷河や美しい山並みを望みながら、約160kmを10日間で踏破。季節外れの積雪に見舞われながらも、高原の牛達が作る特上のチーズや山小屋でのサプライズ・ライブなどトレイル以外の楽しみも満喫。今回は8日目編(概要編はこちら)。

山小屋アントル・デュー・オー

山小屋フェマ出発

本日の行程は山小屋フェマ(Refuge de la Femma、標高2,352m)を出発、まず4日目に宿泊した山小屋アントル・デュー・オーへと下り、続いてヴァノワーズ峠への登り返し、最後は麓町プラローニャン・ラ・ヴァノワーズ(Pralognan-la-Vanoise、標高1,420m)へと下る総距離23.5km(登り578m、下り1,519m)、所要時間7時間10分のコース。

今朝は4時30分起床、5時に朝食を食べてテントを畳み6時出発。のんびりと身支度をしたので、外は明るくなっています。それでもまだテントで寝ている人達がいるので、静かに宿を離れます。谷間を下っていくと、進行左手の山に朝日が当たり始めました。モルゲンロートを楽しんでいると、反対側斜面にはキツネが登場。朝の挨拶だけで、すぐに立ち去ってしまいました。

氷河を見ながらの下り

谷間をどんどん下って行きます。前方には氷河を纏った雄大な山塊。朝日で赤く染まる絶景を見ながらの下り、これは朝から嬉しいご褒美。朝のひんやりとした空気感の中、気持ち良く進んで行きます。すると前方には放牧された牛達の群れ。これも見慣れた光景。挨拶をして道を開けてもらいます。

山小屋アントル・デュー・オー

山道から農道へと入りのんびり下ってくると、1時間半ほどで山小屋へと続く橋に到着。ここで川を渡り坂を上っていくと山小屋アントル・デュー・オー(Ref. Entre Deux Eaux、標高2,120m)に到着。時刻は8時半。懐かしの宿で小休止とします。これから出発する人達もいました。

ヴァノワーズ峠

石橋 ~ pont de croe vie

8時50分、トレイル再開。谷間を流れる川沿いを上流部へと進んで行くと立派な石橋(pont de croe vie、標高2,099m)に到着。何と起源は16世紀にまで遡り、ここを通って当時重要であった塩の流通が行われていたとのこと。記念碑もあるこの石橋を渡ると、ここから急登がスタート。

要塞跡

ジグザグ道で高度を一気に上げます。先程渡った川が大分下に見える位置まで登ってきました。綺麗なV字谷です。振り返ると、川の反対側に小休止した山小屋も見えます。ここを登り終えると、今度は歴史遺産が登場。コンクリートで建設された堅固な要塞跡。見張り台として使われていたのか、ここからの見晴らしは抜群です。

アイベックス

要塞跡から少し進むと、今度はアイベックスの群れが登場。暫く観察。険しい岩場もどんどん進んで行きます。感心しながら曲がり道を先へ進んで行くと、いきなり一頭のアイベックスと急接近。向こうもこちらの気配に気づいていない様子。よく見るとトイレ休憩中。暫く見つめていると、ようやく向こうがこちらを認識。暫く見つめ合い、トイレが終わると退出されていきました。

ロン湖

ここからは川沿いを登っていきます。斜度は緩やかなので、ペース良く進みます。途中川を渡ると、マーモットが水辺でゴロゴロとくつろいでいます。水があるので小鳥たちも沢山登場。ルートはほぼ平坦となり、進行左手上部には氷河が見えます。温暖化の影響で大分溶けてしまった様子。更に進むとロン湖(Loc Rond)が見えてきました。峠まであと少し。11時20分と少し早いですが、ここでランチ休憩。

ヴァノワーズ峠

12時半、トレイル再開。ロン湖を越えると、ヴァノワーズ峠(Col de la Vanoise、標高2,516m)に到着。ここには山小屋があり、ハイカーも大勢います。ここの見所は、山小屋近くにある氷河とその湖。モレーンの規模から推察すると、かつては相当大きな氷河だったと思われますが、今では上部に残るのみ。直下の湖は氷河湖特有のエメラルドグリーン色。絶景スポットなので、角度を変えて撮影に没頭しました。

プラローニャン・ラ・ヴァノワーズ

池の中の道

氷河の撮影を終えて先へ進みます。峠を越えたので、ここからは下り道。足元はガレ場なので気を付けて進みます。眼下に池のような場所が見えてきました。平らな場所に川が注ぎ込み、池のようになっています。その中に一本の道があり、ハイカーが渡っています。そう、ここはガイドブックに記載されている人気スポット。ワクワクしながら、池へと下ります。

池まで来るとルートの全貌が判明。実際には池というより川幅が拡がった場所のようで、水も下流に向かって流れています。その中に対岸まで大きな石を並べた石橋があり、ここが人気の撮影スポット。この日は水嵩も然程無く、特に問題なく渡れそうです。不思議な気持ちで川の中を進んでいくと、気持ちの良い風と川の音に癒されます。渡りきると、多くのハイカーが撮影を楽しんでいました。

山小屋バーメッツ

先へと進むと、ハイカーが静かに撮影中。視線の先には若いアイベック、昼寝をしていたようです。今日は良くアイベックに遭遇します。先程まではあまり草地が無かったものの、この辺りは草も豊富なので、過ごし易い環境なのでしょう。谷へと向かって軽快に下ります。振り返ると、先程撮影に励んだ雄大な氷河が見えます。30分程で山小屋バーメッツ(Refuge des Barmettes、標高2,010m)に到着。

プラローニャン・ラ・ヴァノワーズ

山小屋を過ぎて更に下ります。森林限界の下まで来たので、ルートは林間コースへ。途中休憩を入れつつ、どんどん下ります。峠の茶屋のようなお店を過ぎ、更に下ると眼下に町が見えてきました。今日は町中のホテル泊。15時40分、無事プラローニャン・ラ・ヴァノワーズ(Pralognan-la-Vanoise、標高1,420m)の町に到着。今日も多くの絶景を堪能しました。

町中散策

さて、宿に荷物を置き、夕食調達を兼ねて町中散策へ。この辺りは高級チーズ、ボーフォールの産地。地元食材を扱うお店に行くと、早速発見。量り売りなので、手頃なサイズにカットしてもらいます。その他にもハムや乳製品、そしてワインなどが並んでいます。幾つかお店を回り、最後はケーキを購入して宿へ。豪華な夕食とデザートを満喫。今回はここまで。

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