【TV-D9】仏アルプス/ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ9日目

ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ

仏アルプス・ヴァノワーズ国立公園内を周遊するロングトレイル、ツール・ド・ラ・ヴァノワーズ。手付かずの大自然が残り、氷河や美しい山並みを望みながら、約160kmを10日間で踏破。季節外れの積雪に見舞われながらも、高原の牛達が作る特上のチーズや山小屋でのサプライズ・ライブなどトレイル以外の楽しみも満喫。今回は9日目編(概要編はこちら)。

アルページ・デ・リトール ~ チーズ直販店

プラローニャン・ラ・ヴァノワーズ出発

本日の行程はプラローニャン・ラ・ヴァノワーズ(Pralognan-la-Vanoise、標高1,420m)を出発、シャヴィエール峠へと登り、最後は初日の宿泊地である山小屋オルジェレ(標高1,935m)へと下る総距離22.7km(登り1,518m、下り751m)、所要時間8時間15分のロングコース。

今日は本トレイル屈指のロングコース、かつ特上チーズ製造・直販店への寄り道もあるので、3時50分起床、4時45分出発。外はまだ真っ暗なのでヘッドライトを点けて進みます。町中を進み、キャンプ場脇から山道へ入ります。真っ暗な町中は迷い易いですが、ここでスマートウォッチが大活躍。道を間違えることなくルートへ入れました。

川沿いの砂利道を緩やかに登っていきます。道沿いに水力発電施設が登場。水の色は氷河水特有のエメラルドグリーン色。空が大分明るくなってきました。出発から1時間50分程でレ・プリウー(Les Prioux、標高1,710m)の村に到着。ここは1本の道沿いに宿泊場所やレストラン、チーズ屋さん等が並ぶ街道沿いの小さな宿場町のようなところで、朝からチーズ屋さんが仕込み中でした。

山小屋ロック・ド・ラ・ペッシュ

村を過ぎて川沿いを進みます。途中、搾りたてのミルクを運ぶ軽トラックとすれ違い。先程の村にあるチーズ工房に運んでいくのでしょう。進行左手上部には氷河が出現。この辺りでは、ふとした時に氷河が登場します。村から1時間程進むと、山小屋ロック・ド・ラ・ペッシュ(Refue du Roc de la Peche、標高1,915m)に到着。時刻は7時50分、ここで朝食休憩とします。

アルページ・デ・リトール

朝食休憩中、山小屋から出てきた女性二人組に挨拶すると、なんと日本に滞在歴があり、かつ今の住所も同じ町であることが判明。日本で過ごした良い思い出を披露頂き、こちらまで嬉しくなりました。元気をもらって、8時半、トレイル再開。谷奥目指して進みます。

ルート脇の岩の上ではマーモットがくつろいでいます。まだ日向ぼっこには早そうですが、お気に入りの場所のようです。川沿いを歩くこと約30分、最初の目的地であるチーズ直販店アルページ・デ・リトール(Alpage de Ritord、標高1,971m)に到着。煙突からはモクモクと煙が立ち上っています。それでは早速お店に立ち寄ります。

チーズ直販店見学

お店脇の工房では、チーズ製造の真っ最中。搾りたてのミルクを釜で煮込み、分離したチーズの塊を布でさらい、型にはめて搾ると、おなじみのチーズの塊が出来上がり。色はまだ真っ白。製造工程をじっくりと見学。店の前には各種チーズの値段表があります。昨日町中で見たものと比べて2-3割は安い印象。リュックに入るだけ各種チーズ(ボーフォール、トメ、フレッシュ)を大量購入、大満足の寄り道です。

シャヴィエール峠

山小屋ペクレ・ポルセット

9時半、上流方面に向かってトレイル再開。ルートは車も通れる砂利道。今日の峠まではここからあと3時間。チーズに大分時間を費やしたので、ペース良く進みます。マーモットが次々登場しますが、撮影に時間をかけず先を目指します。1時間20分程進んだところで左手側に大きな池が出てきました。氷河を纏った背後の山もあるので、ここで暫し撮影。

長居はせずに一登りすると、山小屋ペクレ・ポルセット(Refuge de Peclet Polset、標高2,474m)が登場。山小屋への分岐点があり、ガイドブックではここで一泊するプランですが、今回は立ち寄らずに本ルートを直進。丘の上にある目印のケルンへ向かって進みます。

ランチ休憩

景色が良いので、11時20分、ここでランチ休憩とします。早速先程購入したフレッシュ・チーズを堪能。持参した塩をかけて頂きます。サンドイッチ、昨日購入したボーフォールのチーズも美味しく頂きます。疲れていたこともあって、お昼寝タイムで1時間程爆睡。12時40分、トレイル再開です。

動植物鑑賞

景色以外にも鑑賞ポイントは沢山あります。

シャヴィエール峠

峠を目指してまだまだ登りが続きます。草木が無くなり、峠越えらしい荒涼とした大地となってきました。先へ進んで行くと、不思議な場所に出ました。辺り一面にケルンが置かれています。こうした光景はこれまで見たことがなく、まるで三途の川にでも迷い込んだような印象。天気が良いので道に迷うことは無いですが、霧が出たりすると迷いそうな場所なのかもしれません。

雪渓を渡ると、いよいよ最後の一登り。ガレ場の斜面をジグザグ道で登ると、13時40分、シャヴィエール峠(Col de Chaviere、標高2,796m)に到着。これで、本トレイル最後の峠もクリア。あとは明日も含めてのんびりと下って行きます。

山小屋オルジェレ

山小屋への分岐点

点在する雪渓を渡り、ガレ場を下って行きます。しばらくすると、再び草地の世界へ。振り返ると、雄大な光景が拡がっています。さらに下ると、湖(Lac de la Partie)への分岐点。疲れているので、ここから眺めるだけとし、先へと進みます。源流は氷河なのか、激しく流れる滝も見えます。眼下に建物が見えてきたので、ここでおやつ休憩。

山小屋オルジェレ

最後は景色を楽しみながら下って行きます。この絶景が名残惜しく、何度も振り返っては撮影。そしていよいよ最後の下り。初日に宿泊した山小屋オルジェレが眼下に見えてきました。さらには、スタート地点の麓町も見えます。長かったこのトレイルも終わりが見えてきました。16時10分、山小屋オルジェレ(Ref. de l’Orgere、標高1,935m)に到着。今回はここまで。

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