スイス国内を東から西へと横断する総距離390kmのロングトレイル、スイス・ヴィアアルピナ1(別名:クロッシングスイス、 Crossing Switzerland)。スイス隣国リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを出発し、スイス国内の風光明媚な絶景を満喫しつつ、全20ステージ・14の峠を越えて(累積標高差23,600m)、レマン湖畔の町モントルーを目指します。今回は16日目(レンク~グスタード)編です(概要編はこちら、次回記事はこちら)。
レンク
レンク出発
本日の行程は、レンク(Lenk、標高1,060m)を出発し、トルットリスベルク峠を越えて高級リゾート地グスタードに下り、その後隣町ザーネン(Saanen)へと向かう総距離25.0km(登り1,150m、下り1,150m)、所要時間7時間半のコース。
昨晩ゆっくり休んで今朝は6時40分出発。宿の庭には綺麗な花々が植えられており、朝から良い気分。宿の裏手から川へと向かいルートに合流、川沿いの坂道を登っていきます。すると、何やら硫黄の匂いが漂ってきます。川を見ると、日本の温泉地で良く見慣れた光景が。川の一部が真っ白です。
そう、レンクは硫黄泉が有名。ヨーロッパでは珍しい硫黄泉が発見され、1600年頃より湯治場としての歴史がスタート。リウマチや呼吸器疾患に有益であると言われ、今日でも高級ホテルがSPA施設を設けて運営しています。温泉好きには魅力的な硫黄泉、いつかまた訪れたいと思います。ルートはそのまま川沿いを上流に向かって進んで行きます。
分岐点への登り
川沿いを登っていくと、開けた場所に出ました。どうやらスキー場のようでリフトも見えます。このゲレンデ脇をどんどん登っていきます。続いてルートは林の中へ入り、その後再び川沿いへ。現在護岸工事中のようです。これを更に登り、林を抜けると牧草地に出ました。視界が開け景色も良いので、ここで朝食タイム。ゆっくり食べた後、先へ少し進むと分岐点に出ました(Sitegrabe、標高1,571m)。時刻は9時。
トルットリスベルク峠
牛飼小屋への登り
案内板によれば、この分岐点から峠までは約1時間35分。牧草地の中を登っていきます。見通しが良く、気持ちの良いルート。斜度もそれほどきつくないので、調子よく進みます。途中には水場やイスが設置された休憩場所もあります。一時間ほど登っていくと、坂の上に小屋が出てきました。牛飼小屋に到着(Obere Lochberg、標高1,913m)。水飲み場の前で牛さんがポーズしてくれました。
花鑑賞
この登りで咲いていた花々。遠くの景色だけでなく、足元の花々も美しい。
トルットリスベルク峠
牛飼小屋を後にして、気持ちの良い牧草地を登っていきます。この辺では、牛だけでなくヤギの放牧も行われており、所々に特徴的なフンが残っています。まるで羊がたくさん放牧されている英ヨークシャーデールのような場所です。牧歌的な景色の中を30分程進むとトルットリスベルク峠に到着(Trutlisberg Pass、標高2,037m)。
この峠もなだらかに登ってきたので、少し前までのような緊張感のある峠とは異なります。どうやら終盤戦の峠越えは比較的容易なのかもしれません。この後のルートも、なだらかな下りが続きそうです。
峠からの下り
峠から稜線沿いを下った後、今度は進路を右手に変更。進行方向正面には谷間があり、ルートはその左中腹あたりを通ります。牧草地を進んで行くと、当然牛の集団に遭遇。挨拶を交わして道を開けてもらい、更に下ってくると軒先に立派なカウベルが幾つも飾られた牛飼小屋を発見。丁度昼時だったので、日陰部分を拝借してここでランチタイム。暑さが大分厳しくなってきました。
グスタード
トゥルバッハ
12時50分、ランチ休憩を終えてトレイル再開。なだらかな砂利道の農道をどんどん下って行きます。30分程進むと分岐点に出ました(Wintermatte、標高1,423m)。グスタードまでは残り約1時間50分。先へ進むと橋があり、上からのぞいてみると、川を堰き止めて作ったプールで子供たちが気持ちよさそうに川遊びをしています。
橋を渡り川沿いを進んで行きます。標高が低いこともあって、これまでよりもかなり暑く、特に直射日光をあびる日向は堪えます。それでも川岸を歩いていると、川の上を通る冷たい風が幾分暑さを和らげてくれます。日陰でベンチを発見、ここで一休み。トゥルバッハ(Turbach、標高1,295m)に到着。
グスタード
木々が立ち並ぶ川沿いルートを進み、その後は草地の中へ。徐々にグスタードの町並みが見えてきました。町に近づくにつれて民家も増え、その極めつけにお城のような立派なホテルが登場。これまで訪れてきた山村の町とは雰囲気が異なり、正に高級リゾート地そのもの。15時40分、グスタード中心部にあるインフォメーションセンターに到着(Gstaad、標高1,050m)。
グスタード町中散策
まずは早速スタンプをゲット。愛用のガイドブックやヴィア・アルピナのルートでは、グスタードが今日のゴール地点。ただし、この日はリーズナブルな価格で泊まれるホテルの空きがなく、近郊の町で宿を予約。明日はグスタードまで戻り、ここからトレイルを再開します。
時間に余裕があるので、グスタードを散策。中心部の通りは歩行者天国になっており、道路脇にはおしゃれなカフェやレストランが立ち並び、高級ブランドの路面店などもあります。旅の無事を感謝すべく教会に立ち寄ると、中は綺麗でステンドグラスがとても美しい。町中のスーパーで買い物をした後、宿へと向かいます。
ザーネン
案内板によるとグスタードからザーネンまでは約50分。道路脇の平坦な道を進みます。暑さがとても厳しく、とにかく宿へと急ぎます。そして17時20分、無事宿に到着。今日はルート自体の厳しさよりも、午後の暑さがとにかく堪えた一日でした。本日はここまで。次回記事はこちら。
コメント