スイス国内を東から西へと横断する総距離390kmのロングトレイル、スイス・ヴィアアルピナ１（別名：クロッシングスイス、 Crossing Switzerland）。スイス隣国リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを出発し、スイス国内の風光明媚な絶景を満喫しつつ、全20ステージ・14の峠を越えて（累積標高差23,600m）、レマン湖畔の町モントルーを目指します。今回は10日目（マイリンゲン～グリンデルワルト）編です（概要編はこちら）。
マイリンゲン
マイリンゲン出発
今日の行程は、マイリンゲン（Meiringen、標高600ｍ）を出発、長い登りを進んでグローシェ・シャイデックの峠を越えた後、オーバーランド三山（アイガー、メンヒ、ユングフラウ・ヨッホ）の麓町として有名なグリンデルワルトへと下る総距離23km（登り1,410m、下り980m）、所要時間7時間半のコース。
今朝の天気は快晴、宿泊先を6時半に出発。町中を抜けていくと、正面に雄大な滝が見えてきました。名探偵シャーロックホームズ終焉の地として有名なライフェンバッハの滝です。まずはあの滝へと登っていきます。ホテル名をはじめ至る所でホームズ所縁の名が見受けられます。早速山道へ入り、長い登りがスタート。
ライフェンバッハの滝
登り口から30分程でライフェンバッハの滝が良く見えるスポットに到着。落差120ｍ、綺麗な虹もかかり、歓迎されているようです。対岸上部には、麓から続くトロッコ列車の駅が見えます。まだ始発前なので、観光客もおらず、この絶景を独り占めです。
シャーロックホームズ記念碑
ルートをさらに進んで行くと、ホームズが宿敵モリアーティ教授とライフェンバッハの滝へ落下したとされる地点に到着。1893年コナン・ドイルの短編小説「最後の事件」に記載された名場面ですが、実際に訪れてみると、小説の枠を超えてまるで実在した歴史上の出来事のように思えてきます。記念プレートなどの撮影を終えて、ルートを登っていくと道路に出ました。そこにはホームズも描かれたトロッコ列車の大きな看板。
ローゼンラウイ
カルテンブルネン
道路を渡り、ルートはレストラン脇から山道に入ります。30分程登っていくと視界が開け、前方には氷河を纏ったヴェッターホルンの美しい山容が望めます。ここから更に山道を登っていくと、レストラン・カルテンブルネン（Kaltenbrunnen、標高1,210m）に到着。ここにはバス停があります。
朝食休憩
ここからは、渓流沿いに整備された山道を進みます。開けた場所に出ると雄大な山塊が見えます。レストランから20分程進むと、川沿いに一直線に伸びる気持ちの良いルートに出ました。伝統的な家屋の軒先を借りて、ここで朝食休憩とします。川で冷やされた涼しい風が心地よく、のんびりとくつろぎます。
グシュヴァンテンマート
朝食を終えてトレイル再開。川沿いに伸びる大変気持ちの良いルートを進みます。平坦で歩き易く、前方のヴェッターホルンも素晴らしい。ペースも上がると思いきや、あまりの美しさについ撮影に励んでしまい、むしろペースダウン。案内板によれば、ここはグシュヴァンテンマート（Gschwantenmad、標高1,303m）という場所。とてもお気に入りの場所になりました。
ローゼンラウイ
川沿いを進んでくると、ローゼンラウイ（Rosenlaui、標高1,328m）の集落に出ました。農家の家屋中ではチーズを製造中。外には無人販売の売店があります。このあたりはどこでも酪農が盛んです。ルートを進んで行くと、伝統家屋の博物館があり、更にその先には美しいホテル・ローゼンラウイ。ノスタルジックな雰囲気を醸す、とても優美な外観です。
グローシェ・シャイデック
シュヴァルツヴァルダルプ
ローゼンラウイから今日の最高地点グローシェ・シャイデック峠までは2時間20分。再び川沿いのルートを進みます。ルートと並行するように道路があるようで、時折峠へと向かうバスを見かけます。ルート脇にはピクニックエリアも整備されており、休憩場所が頻繁に出てきます。先へ進むと山道へ入り、それを抜けると放牧地シュヴァルツヴァルダルプ（Schwarzwaldalp、標高1,455m）に到着。
アルピグレン
再び山道へと入り、清流が勢いよく流れる川の橋を渡ります。その先にまたピクニックエリアを発見、ここで小休止。川沿いは涼しい風が吹いているので、クールダウンにも最適です。水分と栄養をしっかりと補給し出発。
山道を過ぎると前方が開けた場所に出ます。遠くに見えていたヴェッターホルンが大分近くに迫ってきました。グローシェ・シャイデック峠の全貌も見えます。川沿いのルートを進んで行くと、牧草地に出ました。アルピグレン（Alpiglen、1,617m）に到着、ここにもバス停があります。グローシェ・シャイデックまでは残り50分。
グローシェ・シャイデック
いよいよグローシェ・シャイデックが間近に迫ってきました。ルート脇にはブルーベリーが実をつけており、栄養補給をしているハイカーもいます。進行方向左側には雄大な山塊、上部には氷河も見えます。振り返ると、これまで踏破してきたルートが遥か先まで見渡せます。そして長かった登りもついに終了、グローシェ・シャイデック（Gosse Scheidegg、標高1,962m）に到着です。
グリンデルワルト
ホテルヴェッターホルン
グローシェ・シャイデックにはスタンプボックスがあるので、まずはこれをゲット。景色が良いので、しばしのランチ休憩。ここにはグリンデルワルトからのバスが出ており、フィルストへと続くハイキングコースは、アイガー北壁を見渡せるユングフラウ地方でも屈指の人気ルートです。ユングフラウ地方の周遊ロングトレイルについては以下記事をご参照下さい。
【TJR概要編】ツール・ド・ユングフラウ / Tour of Jungfrau Region－ロングトレイル
ランチ休憩の後、トレイル再開。眼下のグリンデルワルトへ向けて一気に下ります。九十九折の道路が整備されていますが、トレイルルートは一気の下り。峠直下の農家小屋脇を通り、山道を下っていくと、次第にグリンデルワルトの町並が見えてきます。下り終えると、ホテル・ヴェッターホルン前に出ます。
グリンデルワルト
ホテル前から更に下っていくと、グリンデルワルトの市街地へと出ます。インフォメーション・センター前にスタンプボックスがあるので、ここでスタンプをゲット。ホテルへと向かい、今日のトレイルは無事終了。今回はここまで。
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