「音楽の父」と言われたバッハに対して、「音楽の母」と呼ばれた作曲家ヘンデル。また、ロックの創成期に天才ギターリストとしてレジェンドとなった、ジミ・ヘンドリクス。この二人は時代を隔たり、隣の家に住んでいたのです。そんなロンドン市内の住宅を訪ねてみました。パート2はジミヘン編です。ヘンデル編はこちら。
アクセスと外観
ジミヘンのフラットへも、ヘンデルの住居入口から入ります。
ロンドン中心部のボンドストリート駅から南に続く、ショッピング街サウスモルトンストリート南端。メイフェアと呼ばれる高級エリア中でも、人々が多く往来するNew Bond streetや、高級ホテルに挟まれ、少し落ち着いた並びの中にその建物はありました。入り口はというと、表の通りからは入ることはできず、建物の間の細い歩道を奥に入って行った先にあります。
奥まった先の入り口に看板はありますが、見落としてしまいそうな入り口です。黒く塗られた古い木の梁と、レンガがいい雰囲気を醸し出しています。
ジミ・ヘンドリックス
人物
本名は、ジェームズ・マーシャル・ヘンドリックス(James Marshall Hendrix、1942~1970)で、アメリカのギタリスト、シンガーソングライター。愛称としてジミ・ヘンドリクスと呼ばれ、日本では「ジミヘン」とも略されています。
メジャーデビュー後の活動期間はわずか4年であるにも関わらず、ロック史上最高のギタリストとして評価されることも多い人物で、派手なパフォーマンスでも有名です。
ロンドンの住居
ジミは、ヘンデルの旧住居の隣の建物の最上階のフラットに、1968年から1969年に住んでいました。とは言っても、1968年6月にニューヨークから契約し、7月に一時的に住んだものの、ツアーのためにすぐに米国に戻りました。その後1969年1月からまたこの住居に住んでイギリスでの活動を行い、3月にはまたニューヨークに戻っています。そして翌年の1970年には謎が多く残る死をとげています。
それでもジミは自らこのフラットを自分好みに装飾して、作曲を行ったり、仕事の撮影にも使用しました。現在もロンドンにあるジョンルイスデパートで買ったカーテンやクッション、ポートベローマーケットで買ったオーナメントや小物などで室内をデコレーションしていったと聞くと実感がわきます。
そして、彼女であるキャシーにこのフラットの事を‘my first real home of my own’.(「僕の最初の本当の家だ」)と言ったそうです。
展示内容
このフラットには、隣の建物ながら、ヘンデルの家から直接廊下を使って訪れることができます。こちらのフラットに入ると、ヘンデルの展示からは別世界になります。
ヘンデルの家と比べると、あまり広いスペースではありませんが、ジミの経歴に沿って、派手なステージ衣装や、ギターなどが所せましと並んでおり、豊富なレコードコレクションに関する展示もありました。彼はこの短期間の滞在であったフラットにも100枚ほどのレコードを所有していたそうです。また、ホームオーディオのセットアップについても展示があります。
最後に
ロンドンには古い建物がたくさんあり、築100年、200年という話も耳にします。実際に住むと、設備も古くて困ることも多くありますが、時代を越えて、ヘンデルとジミヘンがお隣さん同士で、その建物がそのまま残っており、訪ねることができるというのは、貴重な経験でした。
博物館情報
Handel & Hendrix in London(googlemap日本語;ヘンデル・ハウス博物館)
住所;25 Brook Street, Mayfair, London, W1K 4HB
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