スイス国内を東から西へと横断する総距離390kmのロングトレイル、スイス・ヴィアアルピナ1(別名:クロッシングスイス、 Crossing Switzerland)。スイス隣国リヒテンシュタインの首都ファドゥーツを出発し、スイス国内の風光明媚な絶景を満喫しつつ、全20ステージ・14の峠を越えて(累積標高差23,600m)、レマン湖畔の町モントルーを目指します。今回は14日目(カンダーシュテグ~アデルボーデン)編です(概要編はこちら、次回記事はこちら)。
カンダーシュテグ出発
カンダーシュテグ出発
本日の行程は、カンダーシュテグ(Kandersteg、標高1,174m)を出発し、ブンダーリンデ峠を越えてアデルボーデンに下る総距離16.5km(登り1,300m、下り1,130m)、所要時間6時間半の比較的短いコース。
今朝はのんびりと起床、宿で簡単に朝食を取り、7時40分に出発。天気は快晴、今日もハイキング日和。町中の鉄道駅を過ぎてルートを進んで行くと、燕の案内板を発見。ふと、上を見上げると、無数の巣。きっと保護されているのでしょう。
川沿いを進んで行くと、スカウトキャンプ(International Scout Camp、標高1,185m)の看板を発見。英国ナンバーの大型バスが何台も停車しており、英語を話す少年少女の集団が朝から一活動している様子。見慣れたボーイスカウトの恰好とは少し違いますが、その世界では有名な場所の模様。この脇を抜けて草地を進んで行くと、山道に入ります。
牛飼小屋への登り
ここから本格的なトレイル開始。まずは林の中を登っていき、次に渓谷沿いを上流に向かって進みます。出発から1時間50分程で開けた分岐点に出ました(Aeusser Ueschinen、標高1,548m)。ここから前方右の山に向かって牧草地を進みます。見晴らしがよく、気持ちの良いルートです。
しばらく進むと、ルートは右手の山へ。斜面をジグザグ道で急登、高度を一気に上げていきます。斜度が緩やかになってくると、前方には少し開けた牧草地が見えてきました。放牧された牛達もいます。峠中腹の牛飼小屋に到着(Alpschele、標高2,089m)。時刻は11時を過ぎた頃。景色が良いので、ここで小休憩。
ブンダーリンデ峠
ブンダーリンデ峠越え
牧草地を過ぎると、いよいよ最後の登り。ルートもガレ場となり、峠が近づいてきた印象。今日の峠はどこかと目を凝らしていると、わずかに岩山が窪んでいる箇所を発見。ルートらしき線が見えるので、あとはひたすら登るのみ。ガレ場となってから20分程進むと、ルートはついに岩山の割れ目に。ブンダーリンデ峠に到着(Bunderchrinde、標高2,385m)。
ブンダーリンデ峠
この峠からも進んできた道、これから進む道が一望出来ます。お昼時なので、峠でランチを取っているハイカーも。ここからは、昨日大賑わいだったオエシネン湖も見えます。今日も天気が良いので、あそこは大混雑しているのでしょう。進行方向の先には町も見えます。今日のゴール、アデルボーデンはここから2時間50分。
峠からの下り
峠からの下りも急なガレ場。滑り易いので、慎重に進んで行きます。ジグザグ道をしばらく下り、牧草地まで来ました。ここまで来ると斜面も緩やかとなり、安心して進めます。そして草地になると、いつものカウベルの音が聞こえてきました。放牧された牛の群れを過ぎ、先へと進みます。振り返って見る峠も美しい。
アデルボーデン
ランチ休憩
引き続きジグザグ道での下り。町は見えていますが、まだまだ遠い。緩やかな斜面でランチ休憩とします。その先をよく見ると、大きなホルンを担いだ人が、何やら演奏を始めたようです。音色が良く響き渡ります。今日はスイス建国記念日。これまで何度か声を掛け合ってきたスイス人によれば、「まだ彼はホルン覚えたてだね」と。手厳しいコメントですが、絶景を見ながら音楽付のランチ休憩は良いものです。
アデルボーデンへの下り
ゆっくり休んで、14時20分トレイル再開。休憩小屋(Bunderalp、標高1,755m)を過ぎ、牧草地、林を下ると、コースは道路に出ました。暑さが堪えますが、道路になるとペースが一気に上がります。さらに進んでいくと、道路の中心に木造が設置されている交差点に到着(Schultzenbrucke、標高1,238m)。アデルボーデンまでは残り20分の距離まで来ました。
アデルボーデン
さらに下るかと思いきや、アデルボーデンまでは少し登り返す恰好。下りで足を疲弊した後の登りは結構キツイ。最後の20分は長く感じましたが、それでも無事アデルボーデン(Adelboden、標高1,348m)に到着。時刻は丁度16時。早速、スタンプをゲット。古くからある町のようで、中心部には立派な教会もあります。
番外編~夜祭
この日の夜、アデルボーデンでは夜祭が行われていました。大きなカウベルを抱きかかえて鳴らし歩く先導集団の後を、多くの人が行燈を灯して町中を練り歩くというもの。行燈も夫々装飾が異なり、色とりどりで美しい。日本の夏祭りを連想させます。寝ぼけながらの撮影でピントが合っていませんが、雰囲気だけでも伝われば、と。今回はここまで。次回記事はこちら。
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