フランクフルトでは、ドイツワインの代表品種リースリングに因んだ一大試飲会イベント「リースリングデー」が毎年開催されます。会場は市内の植物園、パルメンガルテン。近郊のワイナリー約40社が出店、リースリング・ワインを中心に白・赤・ゼクト(スパークリング)など合計200銘柄超のワインを試飲出来ます(その場で購入も可能)。生産者と直接対話しながら、夫々の代表銘柄を幅広く試飲できるフランクフルトならではのとても貴重な機会です。
概要
開催8回目となった2024年には、フランクフルト近郊のワイナリー42社が参加。地域別にみると、モーゼル7社、ナーエ6社、プファルツ5社、ラインガウ12社、ラインヘッセン12社です。参加ワイナリーの規模は区々で、スーパーなどでも取り扱っている大手処だけでなく、通常現地でしか買えない中小ワイナリーも多数参加しています。
試飲可能なワインの銘柄数については、公式ガイドブックには200種類以上と記載されていますが、実際各社のブースを訪れてみると、ガイドブックには載っていない銘柄も多数ありました。リースリングを原料として作られた辛口白ワインの銘柄が圧倒的に多いものの、ゼクト(スパークリングワイン)や赤ワイン、アウスレーゼと呼ばれる甘口貴腐ワインなどもありました。
普段あまり飲むことの無い大手処の高価な銘柄や、アウスレーゼのような貴腐ワインも試飲できるので、新たなジャンルを開拓する良い機会となります。
入場
イベント会場の入口は、植物園パルメンガルテンのメインゲートではなく、南側ゲートの横にあるレストラン併設のガラス温室パルメンハウスです。開始時刻から少し遅れて会場に到着すると、既に入場者の行列ができていました。中には、植物園の入場と間違えて並んでいた人も。建物内に入ると、係員が事前購入したチケットを確認し、リストバントが渡されます。売り切れていなければ、当日までオンラインでチケットは購入できます。https://www.frankfurter-riesling-tag.de/
会場ホール
入口のチェックを済ませた後は、ロビーを抜けて試飲会場のホールに向かいます。会場には多くのワイナリーがブースを構えていますが、それ以上に豪華絢爛なホール自体に圧倒されます。このようなホールでの試飲会は、日本ではあまり体験できないかもしれません。
この立派なバンケットホール、元々は1870年にドイツ皇帝フリードリヒ3世が建設させたもので、2012年に当時のデザインを基に大規模なリノベーションが行われ、往時の姿を取り戻しています。天井からは2つの古典的な大きなシャンデリアが釣り下がり、壁面の大きなガラス窓からは植物園の温室を見ることができます。壁際には帝政ドイツ時代の著名な音楽家たちの胸像が並び、歴史的な雰囲気を醸し出しています。
試飲
試飲するにあたり、まずはデポジットを払ってグラスを受け取ります。受取場所はホール手前のロビー。その後は好きなワイナリーのブースに行き、飲みたい銘柄を伝えるだけ(英語で可)。ブース前には、試飲可能な銘柄のリストが設置されているところもありました。
勿論、全銘柄を飲むわけにもいかないので、パンフレットに記載されている銘柄リストを活用するのが良いと思います。試飲を楽しむためにも、ペンを持参してメモを取っておくと便利です。実際、本職と思われる方々は、結構書き込んでいました。
テラス
各社のブースは地域毎に集約されており、ブースではパンと水も貰えます。当日は天気が良かったこともあり、テラスでワインを楽しむ人も大勢いました。食べ物も購入出来るようです。大満足の試飲会でした。
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